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【ランキング】2014年 ダボス会議「Global 100 Index: 世界で最も持続可能性のある企業100社」 2014/04/03 体系的に学ぶ

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※最新年度版は【ランキング】2016年 ダボス会議「Global 100 Index: 世界で最も持続可能性のある企業100社」

毎年1月にスイスのダボスで開催される世界経済フォーラム。通称ダボス会議。その中で毎年恒例のセッションとなっているのが、カナダの出版社CorporateKnights社が発表する「世界で最も持続可能性のある企業100社」(ランキング)“Global 100 Most Sustainable Corporations in the World” (Global 100 Index)です。

2014年にはどんな顔ぶれとなったか見て行きましょう。

Global 100 トップ10

1位 ウェストパック銀行(オーストラリア)(金融)
2位 バイオジェン・アイデック(米国)(医薬品)
3位 オートテック(フィンランド)(エンジニアリング)
4位 スタットオイル(ノルウェー)(石油)
5位 ダッソー・システムズ(フランス)(ソフトウェア)
6位 ネステ・オイル(フィンランド)(石油)
7位 ノボノルディスク(デンマーク)(医薬品)
8位 アディダス(ドイツ)(消費財)
9位 ユミコア(ベルギー)(化学)
10位 シュナイダーエレクトリック(フランス) (電機)

昨年から続いてトップ10入りしたのは、ウェストパック銀行、バイオジェン・アイデック、スタットオイル、ダッソー・システムズ、ネステ・オイル、ノボノルディスク、ユミコアの8社。Global 100の常連で、世界的には知名度の高い企業です。トップ10のうち、アディダスを除いては、日本ではあまり知名度がないように思います。しかしそれは、日本経済と世界経済が乖離している証とも言え、少し残念な気もしてしまいます。トップ10の顔ぶれは、以前はもう少し変動があったのですが、最近は上記の通り安定しています。それだけ、ランクインした企業はGlobal 100の評価指標を意識した経営をしているということを表していますし、Global 100の認知度が世界的に上がってきているとも言うこともできます。

Global 100 国別社数ランキング

1位 アメリカ (18社)
2位 カナダ (13社)
3位 フランス (8社)
3位 イギリス (8社)
5位 ドイツ (7社)
6位 オーストラリア (5社)
6位 日本 (5社)
6位 スイス (5社)
6位 スウェーデン(5社)
9位 オランダ(4社)
9位 シンガポール(4社)

トップ10にはヨーロッパの企業多いですが、トップ100まで見ると北米の企業が全体の30%以上を占めていることがわかります。日本も6位(5社)が入っており、Global 100のランキングを初めてご覧になる方は「日本も善戦している」と思われるかもしれません。しかし実際には2年前の2012年ランキングでは日本企業は13社が入り、国別ランキングでも日本はイギリスに次いで2位でした。2014年は、そこから5社まで減少し、日本勢が後退している姿が伺えます。「ランキングが全てではない」「ランキングでの点数稼ぎばかりに走るのは本質ではない」という意見もあります。一方で、ダボス会議という国際的に注目が集まる場で、このように発表され、企業や国のブランディングに影響を与えるのも実態です。

日本のランクイン企業

65位 大和ハウス工業(前回23位)
66位 三菱重工業
69位 エーザイ(前回63位)
74位 日産自動車
77位 リコー(前回93位)

大和ハウス工業、エーザイ、リコーは前回に続きトップ100に入りました。しかしながら、大和ハウス工業は大きく順位を落としています。大和ハウス工業のケースでは、総合得点が2013年の58.1から2014年の54.0と少ししか落ちていないのに、順位が大きく下がっています。それだけ競争が激しくなっており、スコアリングに対応してきている外国企業が増えてきていることの証でもあります。

globa-100-2014-histgram

スコア分布からも年々トップ100の獲得スコアが上がっているのがわかります。

日本企業以外の有名企業でランキングしているのは、

8位 アディダス(ドイツ)(消費財)
11位 シスコ・システムズ(アメリカ)(ハードウェア)
12位 BASF(ドイツ)(化学)
27位 シーメンス(ドイツ)(電機)
34位 サムソン電子(韓国)(電機)
43位 コカコーラ(アメリカ)(食品)
44位 SAP(ドイツ)(ソフトウェア)
45位 ロレアル(フランス)(化粧品)
50位 モトローラ(アメリカ)(ハードウェア)
51位 ロイヤル・ダッチ・シェル(オランダ)(石油)
57位 ジョンソン&ジョンソン(アメリカ)(医薬品)
59位 GE(アメリカ)(電機)
60位 ダイムラー(ドイツ)(自動車)
64位 H&M(スウェーデン)(消費財)
82位 LG電子(韓国)(電機)
86位 ネスレ(スイス)(食品)
93位 ユニリーバ(イギリス)(消費財)

日本でも知名度の高い欧米企業も多数ランクインしています。また、日本の電機メーカーが1社もランクインしない中、サムソン電子(34位)やLG電子(82位)の韓国勢がランクインしています。

評価基準

最後にGlobal 100の評価基準を紹介します。全部で12項目から構成されています。

エネルギー生産性: 売上 ÷ 直接的および間接的なエネルギー消費量
炭素生産性: 売上 ÷ 二酸化炭素排出量
水生産性: 売上 ÷ 水使用量
廃棄物生産性: 売上 ÷ 廃棄物排出量
リーダーシップ多様性: 女性の役員割合
役員報酬制度:サステナビリティ指標に連動した報酬制度の有無
CEO報酬-従業員平均報酬比率
年金保護: 未積立年金債務 ÷ 時価総額
離職率: 離職者数 ÷ 総従業員数
安全生産性: 事故死者数+20万人時間当りの労働喪失時間数
イノベーション能力: R&D投資 ÷ 売上
税納付: 税金納付額 ÷ EBITDA

評価基準は毎年少しずつ変更されてきています。以前はサステナビリティ情報公開度を示す透明性という指標もあったのですが、透明性の度合いは事前のスクリーニング評価としてのみ使われ、スコアリングからは外れました。サステナビリティの指標については、まだまだ発展途上です。CorporateKnights以外にもいろいろな機関が評価指標やランキングを発表しています。あるランキングでは上位にランクインし、あるランキングでは全くランクインしないということもよくあります。その中でもやはりGlobal 100は特別な意味合いがあるように思います。ダボス会議という世界中から影響力のある政治家、企業家、NPO関係者などが多数集まり、メディアの関心も高く、ここでの出来事は大きく報道されます。企業のひとつの生き残り戦略として、Global 100の存在はより重要になってきています。

<リンク>Global 100, 2014

文:サステナビリティ研究所所長 夫馬賢治

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