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【アメリカ】マッキンゼー、サステナビリティに取り組む企業の最新トレンドを分析 2014/09/22 最新ニュース

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米国のコンサルティング会社、マッキンゼー・アンド・カンパニー(以下、マッキンゼー社)が世界3,000名の企業経営者に対して実施したサステナビリティに関する調査“Sustainability’s strategic worth(サステナビリティの戦略上における価値)”によれば、企業はサステナビリティの重要性をますます認識している一方で、実行面においては未だ課題も多いことが分かった。

課題の一つに挙げられているのは「レピュテーション・マネジメント」だ。ここ数年、企業経営者の多くはサステナビリティに取り組む最大の理由として最も財務上のリターンが期待できるレピュテーション・マネジメントを挙げていたが、今年の調査では、実際には企業の多くは自社のレピュテーション構築につながる活動に力を割けていないことが分かった。

また、マッキンゼー社によれば、サステナビリティ先進企業とそうでない企業の差として、サステナビリティを実際の業務プロセスに統合できているかどうかが挙げられるという。また、優れたサステナビリティプログラムに見られる共通点として、組織内部・外部に対する積極的な目標設定、高い戦略性、リーダーシップなどを指摘している。

今回の調査で判明したサステナビリティに関する企業の最新トレンドは下記6つだ。

1.サステナビリティと事業目標の統合が進んでいる

サステナビリティはより戦略性が高くなり、事業目標と同一視されるようになってきている。サステナビリティに取り組む理由として、企業の事業目標・ミッション・価値との統合と回答した割合は2012年の30%から2014年に43%まで増加した。

2.CEOらはサステナビリティを最優先事項と捉えている

サステナビリティがCEOの最優先事項だと回答した割合は2012年の5%から2014年に13%まで増加している。また、優先事項トップ3に入ると回答した割合も2010年以降年々上昇しており、2010年の34%から2014年には49%になっている。

3.レピュテーション・マネジメントに対するアプローチは業界により異なる

エネルギー利用の削減や廃棄物の削減など様々なサステナビリティ活動がある中で、多くの企業はレピュテーション構築をその活動の中心に置いている。一方で、その方法は業界によって大きく異なり、例えば製造業においては消費者とのコミュニケーションや倫理規定の実行などを重視しているが、採掘業においてはコミュニティ投資などや従業員ボランティアなどが重視されている。

4.レピュテーション・マネジメントを重要だと認識している一方で、必ずしも注力しているわけではない

財務的リターンを最大化する上で最も重要だと考えている取り組みとして、レピュテーション構築は消費者とのコミュニケーション(39%)に次いで2番目(34%)に挙がっている一方で、実際には組織内外ステークホルダーとの関係構築や外部へのレポーティング・透明性向上など他の活動項目と比較するとあまり積極的には取り組まれていない。

5.サステナビリティ先進企業には、明確な目標設定と戦略がある

サステナビリティ推進のための外部・内部に向けた積極的な目標があるか、統合されたサステナビリティ戦略があるかといった質問に対して「ある」と回答した企業の割合をサステナビリティ先進企業と全ての回答企業とで比較すると、その割合には3倍?4倍以上の開きがある。

6.サステナビリティの方針策定と実行との間にはギャップがある

サステナビリティを組織内部に浸透させるためにオープンで透明性の高いダイアログを促しているかという質問に対し、半数近い回答者が「よくできている」「とてもよくできている」と回答している。一方で、実際にサステナビリティを報酬制度や個人の評価制度と紐づけたり、キャリア開発機会を提供しているかといった質問に対しては、「よくできている」「とてもよくできている」と回答した割合は20%にも満たない。

まとめ

2010年の調査結果と比較すると、以前はレピュテーション・マネジメントがサステナビリティ活動の主軸に置かれていたのに対し、今日では企業の事業目標やミッションとサステナビリティを同列に置くことがサステナビリティに取り組む最も重要な理由となっている。

また、上記結果からは、サステナビリティに対するトップや取締役の理解は進んでいるものの、それを社内に普及しきれていない現状が見受けられる。サステナビリティ戦略を絵に描いた餅で終わらせないためには、従業員の動機付けやインセンティブ制度、評価制度への組み込み、キャパシティビルディングなど、実際の行動に変化を促すための組織としての仕組み作りが成功への鍵となりそうだ。

マッキンゼー社では、今回の調査を踏まえ、サステナビリティによる価値創造を更に最大化するためのポイントとして下記3点を挙げている。

  • 製品ライフサイクルの延長
  • テクノロジーの活用
  • 戦略への集中

同社によれば、資源が逼迫しつつある昨今のビジネス環境においては、リユースやリサイクルなどを通じて製品ライフサイクルを延長し、資源への依存度を減らすための戦略がより重要になってきているという。また、テクノロジーにもっと目を向けてサステナビリティをデータ解析へ統合することや、少なくとも5つ以上の明確に定義された優先アジェンダへ戦略的に集中することなども指摘している。

同調査のハイライトは下記から確認可能なので、興味がある方はぜひ見て頂きたい。

【参考サイト】Sustainability’s strategic worth

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