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【カナダ】世界の大手上場企業、サステナビリティ情報開示に課題 2014/11/25 最新ニュース

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世界で最も有名なサステナビリティ企業ランキングの一つ、Global100(世界で最も持続可能な100社)で有名なカナダのCorporate Knightsグループの投資顧問・調査会社、Corporate Knights Capitalは10月14日、世界中の証券取引所に上場している大手企業のサステナビリティ関連データ開示状況に関する調査をまとめた報告書”Measuring Sustainability Disclosure: Ranking the World’s Stock Exchanges”を公表した。調査対象となったのは、世界82の証券取引所に上場している2014年7月1日時点で時価総額20億ドル以上の企業。

同報告書によると、2012年において従業員離職率、エネルギー、温室効果ガスの排出量、労働災害率、給与支払い状況、水の消費量、廃棄物という7つの基礎的なサステナビリティ指標の全てを公表している大手上場企業は、全体のうちわずか2.8%(4,609社中128社)に過ぎなかったという。自社の温室効果ガス排出量について公表している企業は39%、水の消費量については25%、従業員離職率について報告を行っている企業は12%だった。

また、全体の傾向としては、サステナビリティに関する基礎指標を開示する企業の数は増加しているものの、その増加率は減少傾向にあるという。例えば自社のエネルギー消費量について公表している企業数は2008年から2012年の間に88%も増加したのに対し、2011年から2012年の1年間ではわずか5%の増加率にとどまったとのことだ。

さらに、同報告書ではサステナビリティ指標開示における世界の証券取引所ランキングも掲載されており、2014年のトップ3は順にヘルシンキ証券取引所(フィンランド)、ユーロネクスト・アムステルダム(オランダ)、ヨハネスブルグ証券取引所(南アフリカ)となっている。ヨハネスブルグ証券取引所はトップ10の中で唯一の新興市場にある証券取引所だ。その他、ユーロネクスト・パリ(フランス)、コペンハーゲン証券取引所(デンマーク)がこれに続き、ロンドン証券取引所は9位にランクインしている。北米の証券取引所は全くランキング上位に絡んでいないのが現状だ。

Corporate Knights Capital社の最高責任者を務めるToby Heaps氏は「我々は上場企業のサステナビリティ指標の測定・開示を促進または義務化するよう、政策立案者らに強く求めている。基礎的なサステナビリティ指標の開示すら欠如していることは、投資家や地域コミュニティ、NGOからの需要に反しているだけではなく、企業の透明性向上やアカウンタビリティ向上に向けて広がりつつある社会トレンドにも反している」と懸念を語った。

また、今回共同で調査を実施した保険・金融大手のAvivaグループでCEOを務めるMark Wilson氏は「政策立案者は行動を起こす必要があるが、それは企業も同じだ。やれと言われるのを待っているだけでは不十分だ」と語り、企業が主体的にサステナビリティ情報開示に取り組んでいく必要性を訴えた。

今回の調査からは、ヨーロッパを中心に一部の先進企業や証券取引所が積極的にサステナビリティ情報開示に取り組んでいる一方で、世界全体としては未だ不十分な状況にあり、かつその浸透ペースも鈍化していることが分かる。 Wilson氏のコメントにもある通り、法規制による推進だけではなく企業による自主的な取り組みも今後の課題だ。レポートは下記からダウンロード可能。

【報告書ダウンロード】Measuring Sustainability Disclosure: Ranking the World’s Stock Exchanges
【企業サイト】Corporate Knights Capital

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