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【国際】IIRC、公的セクターの統合報告を推進するイニシアチブを発表 2014/12/16 最新ニュース

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統合報告の流れは民間セクターを超えて公的セクターの領域までやってきている。IIRC(The International Integrated Reporting Council:国際統合報告委員会)の呼びかけのもと、世界中の公的機関が統合報告を通じた公的セクターの透明性と信頼性の向上に向けて力を合わせることになった。

IIRCは11月17日、米国ワシントンで開催されたWorld Bank Public Sector Integrated Reporting Conferenceの中で、新たに公的セクターの統合報告を推進するイニシアチブ、The Public Sector Pioneer Networkを開始すると発表した。

同会議の中ではUNDP(国連開発計画)、NHS(UK National Health Service)、IPSASB(International Public Sector Accounting Standards Board)など公的機関の専門家らが集まり、公的セクターがなぜ統合報告を必要とするのか、どのように採用するべきなのかなどについて話し合った。

同イニシアチブは、IIRCがCIPFA(Chartered Institute of Public Finance and Accountancy:英国勅許公共財務会計協会)との協力により開発したもので、同会議の参加機関らが公的セクターにおける最初の統合報告採用機関となる予定だ。既に同イニシアチブに署名している主な公的機関としては世界銀行グループ、UNDP、シティ・オブ・ロンドン、ウェールズ政府、英国政府の部門などが挙げられる。

今回の発表にあたり、UNDPの総裁を務めるHelen Clark氏は「透明で責任があり、アカウンタビリティがある機関は、人々の生活を向上させ、持続可能な開発計画を実行する上で重要な役割を果たしている。統合報告は、透明性、アカウンタビリティ、そして社会責任およびサステナビリティと組織の長期的なレジリエンスとの関係性を強化するためのフレームワークを提供している。UNDPはPioneer Networkに参加し、公的セクターのレポーティングにおけるこの進化に対して貢献できることを嬉しく思う」と述べた。

また、IIRCのCEOを務めるPaul Druckman氏は「公的セクターは、減少しつつある資源の中でアウトカムを維持、改善することがますます難しくなってきている。それを成し遂げる上では、どのようにコミュニケーションし、どれだけしっかりと準備できるかが公的セクターのアカウンタビリティにとって重要になるだろう。このネットワークの参加者らは、統合報告が透明性の向上と信頼の構築という最終的な目標とともに公的セクターの目的に沿う形でどのように適用できるのかについて、彼らの考えや経験を共有してくれるだろう。私は、このネットワークのグローバルにおける影響力を確かなものにするために、興味を持つ機関に対して参加を呼びかけている」と述べた。

IIRCの努力によって各国政府や自治体などに対して大きな影響力を持つ国際機関が統合報告の流れに乗ることで、民間セクターにおける統合報告もより一層と推進されることが予想される。

CIPFAにて政策・技術部門のエグゼクティブ・ディレクターを務めるIan Carruthers氏は「世界の3分の1のGDPが公的セクターによって生み出される中で、統合報告を適用し、優れた統合思考を身につけることは、透明性とアカウンタビリティの変化において必要不可欠なステップを作る手助けとなるだろう」と語る。

また、同氏は「公的資源がどこでどのように使われるのか、使途を可視化して明確に情報を提供することを通じ、世界中の公的セクターが統合報告という変革に向けた課題へより積極的に取り組むことでしか、市民の理解や信頼の向上は得られない」と付け加えた。

昨今では民間企業と同様に公的機関においても資源の効率的な運用やその透明性、アカウンタビリティがより求められるようになってきている。セクターを超えて統合思考が実践されることで、IIRCの最終目標である経済の安定性および持続可能な世界の実現にまた一歩近づくことになる。

【参照リリース】Public sector takes up the transformational challenge of Integrated Reporting
【参考ページ】The Public Sector Pioneer Network
【団体サイト】IIRC

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