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時価総額上位100社の96%が
Sustainable Japanに登録している。その理由は?

【ランキング】2015年 ダボス会議「Global 100 Index: 世界で最も持続可能な企業100社」

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※最新年度版は【ランキング】2017年 ダボス会議「Global 100 Index: 世界で最も持続可能な企業100社」

世界経済フォーラムが毎年1月にスイス東部のダボスで開催するダボス会議。同フォーラムで毎年恒例のセッションとなっているのが“Global 100 Most Sustainable Corporations in the World” (Global 100 Index)であり、この結果がカナダの出版社により「世界で最も持続可能な企業100社」(ランキング)として発表されます。それではまず2015年、上位にランクインした企業から見て行きましょう。

Global 100 トップ10

Global 100 トップ10
(CorporateKnights社の発表を基にニューラル作成)

昨年に引き続きトップ10にランクインしたのは、

  • バイオジェン・アイデック
  • アディダス
  • ケッペル ランド
  • ケスコ
  • BMW
  • セントリカ
  • シュナイダーエレクトリック

の7社。つまり大半は2年連続での上位ランクインということになります。2014年のダボス会議の記事「【ランキング】2014年 ダボス会議「Global 100 Index: 世界で最も持続可能な企業100社」」でもお話したように、最近は上位の顔ぶれが安定しつつあり、事実この7社のうち6社は三年連続でのトップ10入りとなります。このトレンドは全体にも言え、全100社のうち64社は昨年から、そのうち45社は2年前から、つまり三年連続でランクインをしています。

また、日本でも知名度の高い以下のような企業もランクインしています。
14位 ロレアル (フランス 化粧品)
18位 ジョンソン&ジョンソン (アメリカ 医薬品)
22位 ユニリーバ (イギリス 消費財)
26位 コカコーラ (アメリカ 食品)
33位 ノキア (フィンランド ハードウェア)
45位 サムソン電子 (韓国 電機)
50位 エーザイ (日本 医薬品)
51位 LG電子 (韓国 電機)
54位 アクセンチュア (アイルランド IT)
55位 シーメンス (ドイツ 電機)
56位 インテル (アメリカ 半導体)
60位 ダイムラー (ドイツ 自動車)
61位 Adobe (アメリカ ソフトウェア)
69位 シスコシステムズ (アメリカ ハードウェア)
73位 レノボ グループ (中国 ハードウェア)
74位 GE (アメリカ 電機)
75位 H&M (スウェーデン 消費財)
81位 ルノー (フランス 自動車)
82位 BNP パリバ (フランス 金融)
88位 ロンドン証券取引所グループ (イギリス 金融)

Global 100 地域別社数ランキング

次に地域別ランクイン企業数に着目してみましょう。
Global 100 地域別社数ランキング
(CorporateKnights社の発表を基にニューラル作成)

ヨーロッパ、北米の企業で84社と8割以上を占めていることがお分かりいただけると思います。
Global 100 地域別社数ランキングの遷移 グラフ
(CorporateKnights社の発表を基にニューラル作成)

さらに過去5年間の地域別ランクイン企業数の変化に着目すると、ヨーロッパが多く占めている一方、北米地域の躍進が目覚ましいことがわかります。それに対してアジア企業のランクイン数は右肩下がりになっています。この原因は何なのでしょうか。

Global 100 アジア内国別ランクイン社数ランキング

そこで今度はアジアの詳細に着目してみましょう。
Global 100 アジア内国別ランクイン社数ランキング
(CorporateKnights社の発表を基にニューラル作成)

過去5年間で著しくランクイン数を減らしているのは、日本です。実際、2015年にランクインしたのは50位のエーザイのみ。他方、韓国やシンガポールは着実にランクイン数を増やしており、特にシンガポールはケッペル ランド社が2015年のグローバル100で4位につけるに至っています。また今回、2005年にランキングが始まって以来初めて香港以外の中国企業としてレノボグループがランクインしたことも注目すべき点だと言えます。

ランキングの基準①(4つのスクリーニング)

それでは、具体的にどのようなプロセスを経てGlobal 100が選出されているかをご紹介しましょう。まず、毎年10月1日時点において時価総額200万米ドル以上の企業が自動的に評価対象となります。その後に4段階のスクリーニングが行われ、そのスクリーニング基準を満たさない企業はその時点でランキング対象から除外されます(但し、昨年のGlobal 100ランクイン企業は、制裁スクリーニングに引っかからない限り、自動的にランキングの対象となります)。それを通過した企業のみにスコアリングが為され、ランキングされていきます。スクリーニングは以下の4点により行われます。

  1. サステナビリティ情報開示
  2. 財務状況
  3. 製品カテゴリー
  4. 制裁

1. サステナビリティ情報開示

まず最初にスクリーニングがなされるのは、サステナビリティ情報の開示の有無によってです。開示情報は以下の12項目に分類されます。

  • エネルギー生産性
  • 炭素生産性
  • 水生産性
  • 廃棄物生産性
  • リーダーシップ多様性
  • 役員報酬制度
  • CEO報酬と従業員平均報酬の比率
  • 年金保護
  • 離職率
  • 安全生産性
  • イノベーション能力
  • 税納付

この12項目のうち業界ごとに「優先的KPI」が定められており、その優先的KPIを9つ以上開示していれば、このスクリーニングを突破することができます。業界ごとに定められる「優先的KPI」は、業界内に属している企業のうち最低でも10%の企業が開示しているものが選定されます。

2. 財務状況

情報開示のスクリーニングを通過すると次は財務状況でスクリーニングされます。具体的には以下の要件のうち5つ以上満たす必要があります。

  1. 純利益が黒字であること
  2. 営業キャッシュフローが黒字であること
  3. (純利益/期初総資産)が前年度の数値を上回っていること
  4. 営業キャッシュフローが純利益を上回っていること
  5. 長期負債÷総資産の年平均額が増加していないこと
  6. 流動比率が高まっていないこと
  7. 前年に普通株式発行を行っていないこと
  8. 粗利益が前年より増加していること
  9. 総資産回転率が向上していること

3. 製品カテゴリー

財務状況のスクリーニングを通過すると次は製品カテゴリーのスクリーンが行われます。以下のいずれかに該当する企業はランキング対象から除外されます。

  1. GICS業界分類でタバコ業界に属する企業
  2. GICS業界分類で宇宙・防衛業界に属し、かつ防衛事業が売上の半分以上を占める企業

4. 制裁

最後に、2014年10月1日までの過去12ヶ月の間に、サステナビリティに関する問題で罰金を受けていないかがチェックされます。罰金額が総収益に占める割合の大きさが業界内で上位(ワースト)25%以内にいなければ、このスクリーニングを通過します。

ランキングの基準②(スコアリング)

スコアリングする際の評価基準は、「サステナビリティ情報開示」のスクリーニングで使用した優先的KPIが用いられます。優先的KPIごとの数値の平均がその企業のスコアとなり、そのスコアに準じて順位が決まります。また、評価基準は毎年少しずつ変更がありましたが、2015年は前年からの変更はありませんでした。

エネルギー生産性: 売上 ÷ 直接的および間接的なエネルギー消費量
炭素生産性: 売上 ÷ 二酸化炭素排出量
水生産性: 売上 ÷ 水使用量
廃棄物生産性: 売上 ÷ 廃棄物排出量
リーダーシップ多様性: 女性役員の割合
役員報酬制度:サステナビリティ指標に連動した報酬制度の有無
CEO報酬と従業員平均報酬の比率
年金保護: 未積立年金債務 ÷ 時価総額
離職率: 離職者数 ÷ 総従業員数
安全生産性: 事故死者数+20万人時間当りの労働喪失時間数
イノベーション能力: R&D投資 ÷ 売上
税納付: 税金納付額 ÷ EBITDA

2015年のランキング発表を受けて

Global 100のランキング上位の企業は順位を守り続けているものの、変化がないわけではなく、むしろランクインしている企業全体のスコアは前年比で向上しています。これは現状ランク外にいる企業が新たにランクインするハードルが高くなっていることを意味しており、国際的に高い評価を得ることは以前と比べ難しくなってきていると言えます。

それでは、企業にとって、Global 100にランクインすることにはどのような意味があるでしょうか。厳しいスクリーニングを通過し、財務・非財務面で高い評価を得たGlobal 100企業の投資リターンは、ベンチマーク指標であるMSCI オール・カントリー・ワールド・インデックス (ACWI) に比べ高いことが統計的に報告されています。すなわち、Global 100に採用されることで、投資家からの高い評価を得やすくなるということです。

実は、今回選定されたGlobal 100企業の投資パフォーマンスは、初めてMSCI ACWIを下回るという数値も観測されました。しかしこの数値の背景には、両インデックスの選定基準ではなく、単純に為替による影響が大きいと言われています。2014年は米ドルが多くの通貨に対して高騰するというマクロ経済環境となりましたが、Global 100企業の米ドル取引割合が19%に過ぎないのに対し、MSCI ACWIを構成する企業の米ドル取引割合は約50%でした。結果的に、米ドルベースでの取引が多いMSCI ACWIが為替益の恩恵を受けやすく、Global 100よりパフォーマンスが上がったと分析されています。そのため、Global 100企業に対する投資家の期待は引き続き高くなっていくと思われます。

CorporateKnights以外にもいろいろな機関が評価指標やランキングを発表する中、依然として大きな関心を集めるGlobal 100。海外のグローバル企業の取組や意識のレベルが大きく向上する中、日本企業の今後の動きにも期待していきたいです。

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菊池尚人

株式会社ニューラル サステナビリティ研究所研究員

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