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【国際】マッキンゼー・アンド・カンパニー、ダイバーシティの重要性について言及

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米国コンサルティング会社マッキンゼー・アンド・カンパニーは1月、ダイバーシティに関するレポート“Diversity Matters”を発表した。同レポートはアメリカ、イギリス、カナダ、中南米で展開される企業から業界横断的に選ばれた366社を対象とした調査を基に作成されている。レポートによれば、今回の調査に関して同社が財務業績や経営陣構成に注目したところ、以下の8点が明白になったという。

  1. 人種・民族的多様性において上位25%以内に入る企業は、当該業界の中央値よりも30%以上財務パフォーマンスが高い傾向にある
  2. 性別の多様性において上位25%以内に入る企業は、当該業界の中央値よりも15%以上財務パフォーマンスを高い傾向にある
  3. 性別、人種・民族の多様性で下位25%以内に入る企業は、平均的な企業と比べ、財務リターンが当該業界の中央値を超える可能性が低い
  4. アメリカにおいて、人種・民族的多様性と財務パフォーマンスは比例関係にあり、多様性が10%高まるにつれてEBITは0.8%向上した
  5. 既に一定の取り組みがなされている性別の多様性より、人種・民族的多様性を高める方が財務パフォーマンスにより大きな影響を与えていた
  6. 英国において、上級経営幹部の性別の多様性は高い財務パフォーマンスに繋がっており、多様性が10%向上するにつれてEBITは3〜5%向上した
  7. 性別の多様性と人種・民族的多様性の双方において上位25%に入った企業は存在しなかった
  8. 同国同業者が違う財務パフォーマンスを示していることは、ダイバーシティがマーケットシェアを高める差別化要素となっていることを意味している

今回発表されたダイバーシティと財務リターンの間には相関関係はあるが、因果関係が認められるわけではない。すなわち、ダイバーシティを高めることで自動的に高利益が約束されるとは言い切れないということだ。しかし、少なくともこの相関性から「企業は多様なリーダシップを取り入れることで、より成功する」ことが見えてくるという。また、多様性の高い企業は優れた人材を獲得でき、顧客志向や従業員満足度、意思決定の精度などの向上が見込め、これらは好循環を生んでいくとマッキンゼー社は語る。

一方で同社は、ダイバーシティの達成の困難さについても語っている。たとえば、世界中のトップ企業においても依然として女性は過小評価されており、女性が経営陣に占める割合はアメリカにおいては16%、イギリスにおいては12%、ブラジルにおいては6%に過ぎない。また、人種に関しても企業内の人種構成比は当該国の人種構成比を反映していない。事実、比較的上手くいっているイギリスにおいても78%の企業は社内の多様性を社会の多様性に反映させることに失敗しており、アメリカやブラジルについて言えば失敗している企業は9割を超えている。

これらの数値は、まだ取り組まなければならないことが残っていることを表しているという。我々が暮らすこのグローバルな世界が多様な人々の深い繋がりの下でできている以上、多様性を活かした企業がより良いパフォーマンスを上げることは何ら不思議なことではない。それぞれの企業が、所属する人々の多様性を最大限に活かすために邁進していかなければならない。

【企業サイト】mckinsey & company

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