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【中国】フォックスコン問題を機に中国で労働組合強化の機運高まる 2015/02/22 最新ニュース

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中国全土の労働組合組織を束ねる全国総工会(全国労働組合連合会に相当)は、昨年野労使関係に関する違法案件と労働事件を10件公表した。その中の1社が、製造業世界大手のフォックスコン社。長時間残業を従業員に押し付ける違法企業として指摘された。

中国での相次ぐ労働問題を機に、労働組合の役割を問う議論が始まっている。中国には、「労働組合法」と「労働契約法」という法律で、「労働組合は労働者の法律権利を代表、保障する」ものだと定めている。労働者は一人一人の力が弱いので、正当な権利が損害された際、強大な雇用者と対立するのは非常に難しい。その上、労働者は法律知識が不足しているため、雇用者と実質的に法律で対抗するのは難しく、そこで労働組合がその法律的な不足を補うとしている。その労働組合の連合体である全国総工会は、法の執行部門や司法機関ではないが、労働者の権利保障に関する事件を公表・譴責し、社会的な監督機関として位置づけられている。このような公表や譴責は強制力を持っていないが、企業の再発防止を促すと同時に、関連する政府機関に対して注意を呼びかける意味合いがある。

フォックスコン社にも労働組合は設置されている。しかし、今回、その上部組織である全国総工会が直接事態を取り上げたことで、フォックスコン社の労働組合が名ばかりな存在になってしまっていると批判する声が出ている。実際、鄭州フォックスコン社の労働組合の会長選挙は形式的に行われただけで、従業員が実際に投票できなかったという報道があった。従業員のストライキと飛び降りなどの事件で、フォックスコン労働組合からは声が聞こえないと深圳現代研究所の劉開明所長も指摘している。また、フォックスコン労働組合は成立されて以来、同社会長である郭台銘氏の支持団体になっていると評する人もいる。同様に、2013年に、北京大学、武漢大学、香港理工大学が共同でまとめた「フォックスコン調査報告」では、フォックスコン労働組合は不合格だと指摘している。

中国では、このような労働問題の火種を抱えている企業は少なくない。日本では労使紛争は昔話となった感もあるが、中国では依然ホットなテーマだ。労使問題がこじれることで、今回のように政府に近い全国総工会が事態を取り上げたり、政府が直接意見してくる可能性も今後高まってくると見られる。自社及びサプライチェーン上に中国での事業所が関わっている企業は、中国での労働者に対してより細かい目が必要となりそうだ。

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