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【ヨーロッパ】GRI、非財務情報開示に関する新EU指令とG4との関連性を公表

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サステナビリティ報告に関する国際イニシアチブのGRIは2月3日、昨年に欧州連合理事会が承認した企業の非財務情報および多様性の開示に関するEU指令への対応を支援するために、新EU指令とG4との関連性について示した新たなガイドブック”Making headway in Europe” を刊行した。

同ガイドブックは、EU指令を遵守するために対象企業がどのようにG4を活用することができるかについて解説しており、GRIはガイドブックの中でG4は新EU指令の要求に完全に対応可能なフレームワークとなっているとしたうえで、両者の共通点、関係性について説明している。

新EU指令のもとでは、対象企業は下記7つの要素についての情報開示が求められている。

  1. General Disclosure(一般的な情報開示:ビジネスモデル、サステナビリティ方針がない場合または特定の情報を公開しない場合の説明、外部保証の利用)
  2. Diversity(多様性)
  3. Environmental matters(環境)
  4. Social matters(社会)
  5. Employee matters(従業員)
  6. Human Rights matters(人権)
  7. Anti-corruption and brivery matters(汚職・贈賄の防止)

上記の新EU指令に対し、GRIはほとんどのケースにおいてG4の定める戦略および分析の開示、組織のプロフィール、マネジメント手法の開示、指標の4つの情報をそのまま活用できるとしている。

また、GRIは上記1の「一般的な情報開示」については、情報開示の免責・除外および外部保証について新EU指令とG4との間に強い共通点があるとしている。G4では特定の情報については企業に対して情報開示をしない余地が与えられているが、同様に新EU指令のもとでも各国政府は企業に対して差し迫った開発や交渉中の事案については情報開示をしないことを認めるという選択肢を持っており、サステナビリティ方針を持たない企業に対しては"Report or Explain(報告せよ、さもなければ説明せよ)"というアプローチを適用している。

さらに、外部保証の柔軟性についても両者は共通しており、GRIは外部保証を強く推奨してはいるものの要件の中には含めていないが、新EU指令も独立した外部保証を義務づけるかどうかについては各国政府に決定権を委ねている。

上記1~7の要素とG4の関連性についてはレポート内に対照表がまとめられているので、ぜひそちらを参考にしていただきたい。

GRIの副最高責任者を務めるTeresa Fogelberg氏は「このガイドブックは、EU指令の対象となる組織がG4を活用するべき理由、そしてどのように活用できるかを示している。また、同書はEU内外における持続可能でインクルーシブな成長に加え、企業の透明性を推進するというGRIのコミットメントの一端でもある」と語った。

EUでは、企業の非財務情報および多様性の開示に関する指令が昨年9月に欧州連合理事会に承認された後、12月から施行されている。同指令によりEU域内の約6,000社に環境、社会、労働、腐敗防止、贈賄、人権など幅広い非財務情報の公開が義務づけられた。また、報告書の中ではこれらの分野に関する自社の方針、成果、リスクについても記載する必要がある。(※参考記事:【EU】欧州連合理事会、大企業の透明性向上に向け、非財務情報開示義務指令を承認

GRIのBastian Buck氏は「G4は企業に対して包括的なガイダンスを提供している。これにより、企業はEU指令で定められている透明性を担保することができる」と語った。今回GRIにより新たなEU指令とG4との関連性について明記されたことで、新たにサステナビリティ報告書を作成する担当者にとっては大きな助けとなりそうだ。ガイドブックは下記からダウンロード可能。

【レポートダウンロード】Making headway in Europe
【団体サイト】GRI

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