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【国際】CDP、環境規制への対応力がある自動車メーカーを発表。日本勢が上位。

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気候変動問題に取り組む国際NPOのCDP(カーボン・ディスクロージャー・プロジェクト)は2月5日、欧州、米国および中国市場に進出している大手自動車メーカーを温室効果ガス排出量削減への対応状況に基づいてランク付けした報告書、"No room for passengers: Are auto manufacturers reducing emissions quickly enough?"を発表した。

同報告書はCDPが保有する膨大な企業の環境データに基づきまとめられたもので、各自動車メーカーが製造する自動車の走行中の温室効果ガス排出量、次世代車両技術への取り組み、製造時の温室効果ガス排出量という3つの面から世界の自動車市場の売上の83%を占める自動車メーカー14社を評価している。

同報告書を見ることで、投資家は今後ますます環境規制の強化が予想される自動車業界の中でどの会社がもっとも恩恵を受け、どの会社が規制に対応できず苦戦するかについて判断できるようになっている。また、この調査結果ではランクづけに使用されている排出ガスの指標のウェイトが可視化されており、投資家が自身の都合で調節できるようになっている点も特徴だ。

CDPの議長を務めるPaul Dickinson氏は「世界の大手機関投資家はこれらの自動車メーカーの株式をポートフォリオに組み入れており、自動車メーカーの環境規制強化への対応と次世代車両技術への投資が、将来の機関投資家の財務パフォーマンスを左右する」と語った。

同調査結果のランキングおよび主な考察は下記の通り。



(※Japanese automotive companies take the lead in new CDP auto league as most prepared for stricter regulationより引用)

  • 日本の自動車メーカーは自動車の走行中の温室効果ガス排出量削減や電池式電気自動車、プラグインハイブリッド車といった次世代車両技術の導入によりランキング上位を独占しており、日産、トヨタ、マツダがそれぞれ1位、2位、4位に輝いている。
  • タタ・モーターズは、CDPの調査への回答が不十分だった上に次世代車両技術が未開発という点もあり最下位となった。
  • ゼネラルモーターズ、クライスラー、フォードは欧州および米国で規制に抵触し、重大な罰則を受ける恐れがある。その中でも、ゼネラルモーターズは税金支払前利益の33%に相当する13億ドルもの損失を被る可能性がある。
  • 自動車メーカーの製造過程における温室効果ガス排出量(スコープ1・2)は総排出量の3%に過ぎない一方で、走行中の排出量(スコープ3)は75%にも上っている。

今回のCDPの調査で日本の自動車メーカーが環境への対応力で高く評価されたことは喜ばしいことだ。一方で、自動車業界は電気自動車のテスラやグーグルなど新たな企業も参入してきており、今後ますます競争が激化することが予想される。その中で成長を続けるには、いかに環境面において他社をリードし、各国の環境規制を味方につけられるかが鍵を握る。

【レポートダウンロード】No room for passengers: Are auto manufacturers reducing emissions quickly enough?
【団体サイト】CDP

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