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【国際】機関投資家ら、グリーンボンド市場の更なる透明性と規格化を期待

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世界的にグリーンボンド市場が大きな成長を見せ続ける中、サステナビリティ分野の国際アドボカシーNGO、Ceresの機関投資家ネットワークInvest Network on Climate Risk(以下、INCR)は2月10日、グリーンボンド市場の健全な成長に向けて投資家の期待をまとめた声明書"Statement of Investor Expectations"を公表した。同文書は、クリーンエネルギー融資や気候変動対策ソリューションなどについて、より継続性があり耐久性の高いグリーンボンド市場の枠組み作りを支援するためのものだ。

年金ファンドや保険会社、資産運用会社などグリーンボンドの主たる購入者となる機関投資家で構成されるINCRは、2014年1月に公表された"Green Bond Principles"(グリーンボンド原則)への支持を表明していたが、今回の声明ではさらに以下4つの点に取り組むことで、グリーンボンド原則をより強固なものにすることを目指している。

  1. 「グリーン」プロジェクトに関する一般的な基準を含む適格化
  2. 債券発行時に、資金の使途やその他の行動に関する情報開示
  3. 資金の使途やプロジェクトの影響、効果に関する報告
  4. 独立した保証

いずれのポイントもグリーンボンド市場の信頼性、透明性を担保し、投資家が安心してグリーンボンド市場に参加できるようにする上でとても重要な点となる。

2030年までに世界のクリーンエネルギー投資を毎年1兆USドルずつ拡大することを目指すClean Trillionキャンペーンを昨年に開始したことでも有名なCeresのInvestor Programsで役員を務めるDirectorのChris Davis氏は「グリーンボンドは、我々が喫緊で必要としているクリーンエネルギーソリューションのための重要な融資メカニズムであり、市場の成長や誠実性は、より明確な基準を通じて実現されるだろう」と語った。

また、チューリッヒ保険グループのCIO(最高投資責任者)を務めるCecilia Reyes氏は「強固な基準や明確な情報開示は、グリーンボンド市場の更なる発展に向けて非常に重要な点であり、我々は投資家らに自らの期待を述べるための場所を提供しているINCRの取り組みを歓迎する」と語った。

Ceresは先日公表した"2014 Clean Trillion analysis"の中でも低炭素経済を実現する10のドライバーの1つとしてグリーンボンドを挙げており、クリーンエネルギーへの民間投資を更に加速させることが期待されている。

INCRのグリーンボンドワーキンググループの一員でもあり、教職員向け年金基金として全米1位の運用規模を誇るCalSTRS(カルスターズ:カリフォルニア州職員退職年金基金)のCEOを務めるJack Ehnes氏は「グリーンボンドのアクティブ運用者であり、868,000人のカルフォルニア州の教職員およびその家族の退職年金の受託者として、カルスターズはこの投資家による指針がより強固で信頼性の高いグリーンボンド市場、そして気候変動リスクに対応したクリーンエネルギーソリューションへの融資に貢献すると信じている」と語った。

さらに、世界銀行の役員を務めるHerrera-Pol氏は「2008年に世界銀行がグリーンボンドを最初に発行して以来、グリーンボンド市場の成長を促進してきた。このCeresが主導する投資家らによるイニシアチブは、投資家と債券発行者の建設的な対話の素晴らしい一例だ。これはグリーンボンド市場にとって正しい方向への更なる一歩となる」と語る。

より多くの投資家が自身の期待を声にして明確に伝えることは市場の健全な発展のためにとても重要であり、またそれは債券発行者がグリーンボンドから得られる利益の拡大にもつながる。グリーン債券市場の成長に伴い今後さらなる透明性向上や規格化が推進されることが期待される。

【リリース原文】Investors Encourage Further Transparency, Standardization to Spur Green Bond Market Growth
【団体サイト】Invest Network on Climate Risk
【団体サイト】Ceres

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