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【国際】産業界のリーダーが集まるB Team、2050年までに温室効果ガス排出ネットゼロを呼びかけ 2015/03/14 最新ニュース

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英国ヴァージングループの創設者として知られる実業家のリチャード・ブランソン氏やインドの財閥タタ・グループの会長ラタン・タタ氏、ユニリーバのCEO、ポール・ポールマン氏、グラミン銀行創始者のムハマド・ユヌス氏など、世界を代表する産業界のリーダーらにより構成される非営利組織のB Teamは2月5日、「2050年までに世界の温室効果ガス(GHG)の排出をネットゼロにする」という大胆な目標を発表し、世界中の政府や企業リーダーらにこの大胆な長期目標へのコミットメントを呼びかけた。

今回B Teamが掲げた野心的な声明は、昨年12月にリマで行われたCOP20での議論を元に、最新の科学的調査やビジネスリスク、地球温暖化の上昇が2度以内に収まらなかった場合の経済損失などに基づき定められたものだ。

各国政府の代表らは今年の12月パリで開催されるCOP21において気候変動に関する国際的な合意に向けた準備を進めており、12月のCOP21は京都議定書に代わる新たな歴史上の転換点になることが期待されている。

今回の発表を受けて、ユニリーバのCEOでB Teamのリーダーでもあるポール・ポールマン氏は「2050年までに排出ネットゼロという目標は望ましいゴールではなく必須の課題だ。今こそ我々は努力を倍にして脱炭素経済への進化を加速させるときだ。これは簡単なことではないが、我々が早く行動すればするほど、経済的な機会はより大きくなる」と語った。

B Teamは、各国政府らが2050年までの温室効果ガス排出ネットゼロにコミットメントすることで、世界全体の低炭素社会に向けた道筋を明示できるとしている。また、企業はイノベーションやクリーンエネルギー投資、低炭素ソリューションの拡大、雇用創出や経済成長支援など、大胆な気候変動対策目標を戦略に取り組むことで対応するという。

具体的には、上記目標達成に向けて政府および産業界のリーダーらに対して下記の領域に取り組むよう呼びかけている。

  • (政府に対して)2050年までに温室効果ガス排出ネットゼロという国際的な目標にコミットし、12月のパリのCOP21での合意にこの目標を組み込むこと
  • (企業に対して)長期目標へのコミットおよび低炭素ソリューションの拡大
  • (政府と企業に対して)意味ある効果的な炭素価格の適用
  • (政府に対して) 全ての化石燃料に対する補助金を廃止おとびより低価格な再生可能エネルギー拡大へのシフト
  • (企業と政府に対して)最も気候変動の影響を受けやすい脆弱なコミュニティに対して、気候変動対応による利益が確実にもたらされるようにすること

B Teamは、既に多くの企業は海水面上昇や海洋酸性化、穀物生産量の下落、砂漠化といった極端な異常気象によるサプライチェーンの混乱によって気候変動の被害を受けているとしたうえで、もし企業が責任ある形で協働することができれば、温室効果ガス排出ネットゼロ経済へ移行は、歴史的なチャンスになりうると主張する。この移行により、国の豊かさに関わらず、新たな雇用創出や綺麗な空気、健康、貧困減少などの経済的利益が生まれるからだ。

B Teamの共同会長を務めるリチャード・ブランソン氏は「大胆な気候変動対策に取り組むことは、純粋にビジネスの視点でも理に叶っている。それはまた、人々や地球にとって正しいことでもある。2050年までに温室効果ガス排出ネットゼロという目標は、イノベーションを促し、雇用を生み出し、繁栄を生み出し、まもなく90億人に達する地球をより良い場所にする。これ以上待つ必要はあるだろうか? 今こそ全員が参加し、2050年までの温室効果ガス排出ネットゼロ経済への移行を進めるときだ」と述べた。

また、ノーベル賞受賞者でユヌスセンター 会長兼B Team Leaderのムハマド・ユヌス氏は「我々は気候変動における歴史的な転換点に立っている。2050年までに排出ネットゼロという目標を達成することによって、次に続く世代に平和を支える持続可能なエネルギーのある世界を実現することができると信じている」と語った。

なお、B Teamは同日UNFCCC(United Nations Framework Convention on Climate Change:国連気候変動枠組条約)の事務局長を務める Christiana Figurers氏あてに、2050年までに参加者らを温室効果ガス排出ネットゼロの方向へ導くことを求める公開文書も提出している。

世界の気候変動対策を大きく前進させるために、世界を代表する産業界のリーダーらが手と手を取って大きな声を上げている。B Teamの提案がパリのCOP21でどこまで反映されるのか、注目が集まる。

【参考サイト】B Team Leaders Call for Net-Zero Greenhouse-Gas Emissions by 2050
【団体サイト】B Team

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