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【国際】化石燃料関連株は投資パフォーマンスに悪影響。MSCIが分析 2015/04/21 最新ニュース

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 世界6,000以上の年金ファンドやヘッジファンドが利用しているベンチマークとして有名なMSCI(モルガン・スタンレー・キャピタル・インターナショナル)が先日実施した調査によると、過去5年間において石炭、石油、ガスなどの化石燃料関連銘柄を除く株価の指数は、それらを含む株価指数よりも高いパフォーマンスを上げていることが明らかになった。

 2010年以降、化石燃料銘柄を除いた指数(MSCI ACWI ex Fossil Fuels インデックス)は平均して年間13%のリターンを生んでいるのに対し、それらを含む指数(MSCI ACWI インデックス)のリターンは平均年間11.8%となっており、1.2%のパフォーマンス差が見られる結果となった。

 これは英ガーディアン誌が4月10日に報じたもので、同誌によると化石燃料銘柄を含むポートフォリオの時価総額は2010年以降で62.2%増加したのに対し、それらを除いたポートフォリオの時価総額は69.9%増加したとのことだ。

 このパフォーマンス差が生まれた原因の一つとして考えられるのが原油価格の下落によるBPやシェルなど大手石油企業の株価下落だが、MSCIのデータによれば、化石燃料銘柄を除くポートフォリオのパフォーマンス上昇は原油価格が下落する前の2013年頃から始まっており、単に原油価格の下落が影響しただけではないことが分かる。

 実際には、気候変動対策に向けた再生可能エネルギー投資の拡大など世界的な低炭素経済への移行トレンドに伴い、投資家らが石炭や石油など主たるCO2排出源となっている化石燃料銘柄の将来性を懸念し、自身の資産を引き揚げた影響だと見るのが妥当だ。

 一方で、真に低炭素経済への移行を実現するためには、単に投資を避けるのではなく、むしろ株主行動などを通じて積極的に化石燃料関連企業に働きかけ、彼らの事業をより持続可能なビジネスモデルにシフトさせることが重要だという声もある。

 いずれにせよ、市場力学によってより持続可能なエネルギーを生産、利用する企業の評価が高まっていくという仕組みは理想的だ。化石燃料関連企業だけではなく、全ての企業がこうした投資家のニーズの変化に敏感に対応していく必要があると言える。

【企業サイト】MSCI ACWI ex Fossil Fuels Index
【参考サイト】Fossil fuel-free funds outperformed conventional ones, analysis shows

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