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【日本】持続可能なパーム油の調達セミナー、RSPO認証に高い関心 2015/04/27 最新ニュース

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 世界には環境から人権にいたるまで様々なサステナビリティ課題が存在しているが、近年東南アジアにサプライチェーンを抱えるグローバル企業の間で特に関心が高まっているのが、パーム油をめぐる課題だ。パーム油は多くの食品や消費財の原料として利用されているが、マレーシア、インドネシアなどではグローバル企業のサプライヤーによるパーム油の調達慣行が大きな問題となっている。

 なぜなら、パーム油の調達はパーム畑で働く地域住民らの労働問題や強制移住などの人権問題に加えて、気候変動の最大の原因の一つでもある大量の森林破壊につながっているからだ。

 こうした現状を受け、世界では現在グローバルにサプライチェーンを抱えるサステナビリティ先進企業らが様々な取り組みを行っており、パーム油の持続可能な調達を推進するNPOのRSPO(Roundtable on Sustainable Palm Oil:持続可能なパーム油のための円卓会議)による第三者認証のRSPO認証を取得する動きも広まっている。

 このように世界的にパーム油への関心が高まりを見せる中、日本企業の間にも持続可能なパーム油の調達へ向けた動きが徐々に活発化しつつある。生物多様性・CSRコンサルティングを手がけるレスポンスアビリティと、第三者認証を手がけるControl Union Japan社は4月21日、「持続可能なパーム油に関する調達セミナー」を開催し、パーム油をめぐる国際動向やRSPO認証に関心を寄せるCSR担当者、調達担当者らが数多く集まった。

 当日は、前半にレスポンスアビリティの代表を務める足立氏がパーム油をめぐる世界の情勢について、後半にはControl Union Japanの山口氏がRSPOのSCC認証(Supply Chain Certification)の取得プロセスについてそれぞれ詳しく解説した。

 レスポンスアビリティの足立氏は、生物多様性条約のCOP10で合意された2020年までの国際目標「愛知ターゲット」に代表されるように、既に国際的には森林を含む自然生息地の損失速度の抑制に向けた動きが本格化しているとしたうえで、パーム油の持続可能な調達の重要性を強調した。

 同氏は、世界最大の政府系ファンドであるノルウェーの年金基金がパーム油関連企業23社の株式を売却した事例や、パーム油を含む製品を使用していた食品大手のネスレがNGOと消費者から痛烈な批判を浴びた事例などに触れながら、パーム油をめぐる課題は既に大きな経営リスクとなりつつある現状を共有した。

 続いてControl Union Japanの山口氏は、RSPOのSCC認証の詳細および取得までのプロセス、審査方法や審査時のチェック事項などについて詳しく解説した。同氏は、SCC認証には複数の認証システムがあり、企業は自社のサプライチェーンにおける認証パーム油の調達状況に応じた認証を受けることができることを共有したうえで、認証済みパーム油は調達していなくても権利を買うことで認証ラベルを使用できるBook&Claimという仕組みなども紹介しつつ、現状の調達状況やサプライヤーの把握状況が完全ではないとしても、まずは現在の状況に合ったシステムから取り組みを始めることを薦めていた。

 セミナーの終了後も参加者らからはサプライヤーの取り組み状況に関するチェック方法や、審査の際に不適合性を指摘されることが多いポイントなどRSPO認証に関する多くの質問が飛び交い、関心の高さがうかがえた。

 足立氏は「パーム油をめぐるリスクにはNGOからの批判なども含まれるが、企業が持続可能なパーム油調達に取り組むべき何よりの理由は、安定的な調達を実現するためだ。トレーサビリティが確保できれば、パーム農園と一緒になって生産効率の向上などに取り組むこともでき、自然資本の減少に伴い調達リスクが高まったとしても安定調達が実現できる」と語り、持続可能なパーム油調達の重要性を訴えた。

 レスポンスアビリティではRSPO認証の取得に向けた支援やアドバイスも実施しているので、興味がある方は一度検討してみてはいかがだろうか。

【企業サイト】レスポンスアビリティ
【企業サイト】Control Union Japan
【団体サイト】Roundtable on Sustainable Palm Oil

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