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【アメリカ】AT&TとIBMら、IoTを活用して水のサステナビリティを向上

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 近年では世界各地で水問題が深刻化している。干ばつによる水不足や水インフラの劣化など課題は山積しているが、一方で世界の都市の多くでは水道関連の設備投資は限られており、問題が未解決のまま横たわっているのが現状だ。

 この水にまつわるサステナビリティ課題を解決するべく、米通信大手のAT&T、IBM、そして米インフラ大手のMueller Water Products(MWP)が、IoT(Internet of Things:モノのインターネット)技術を活用した革新的な水管理ソリューションを開発した。同技術は導入も簡単で、都市の水管理、水漏れ防止に活用できるという。既に米アトランタ、ロサンゼルス、ラスベガスの3都市で試験運用を実施したとのことだ。
 
 同技術は、AT&TのLTE無線ネットワークとMWPのエコセンターと音響技術を活用して都市水道の水圧や温度、水漏れをモニタリングし、従来は難しいとされていた水道管の水漏れ防止や排水システムの状態を把握するものだ。また、IBM水管理センターは自社が保有する水に関する全データを提供している。

 AT&Tの副社長を務めるMIke Troiano氏は「従来の水道管からの水漏れは年間約152万リットル分にも及ぶ。世界中の都市が水不足に直面しているが、悲劇のシナリオを現実としないためにも問題を皆で認識する必要がある。我々はコミュニティにおける水供給システムをより目に見えるようにすることで、未来のよりよい水管理を実現していく」と語る。

 ラスベガスでは、同地域の水供給を一手に担うLas Vegas Valley Water District(以下、LVVWD)がこの技術を導入した。LVVWDは年間100万人以上の住民に加え、ラスベガスを訪れる4000万人もの観光客に水を供給している。同社は6400キロ以上もの水道と約342億リットル分の貯水システムを有しており、AT&Tらが開発した新技術は水道管の管理や水の無駄削減に活用される。

 LVVWDでエンジニアリングプロジェクトマネジャーを務めるCharles Scott氏は「この新しい水漏れ点検技術を使えば、地下で起こる小さな水漏れも発見可能になる。大規模な水漏れを未然に防ぐ意味でも非常に有意義だ。この技術は水漏れリスクを減らし、我々はパイプのメンテナンスに集中することができるようになる」と語った。

 今回の革新的なソリューションの開発にあたっては、水管理に加えてサプライチェーン管理や保険、スマートシティなどに向けたIoT技術も開発しているAT&T、ビッグデータ管理のIBM、そして水インフラのMWPの3社がそれぞれの強みを結集した。同社らの取り組みは最先端のテクノロジーを活用した優れたサステナビリティイノベーション事例だと言える。

【参照リリース】AT&T Helps Cities Save Water with New Technology
【企業サイト】AT&T / IBM / Mueller Water Products

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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