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【アメリカ】グーグルとAclima、大気汚染の改善にグーグル・ストリート・ビュー撮影車を活用

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 米グーグルおよび環境センサーの開発を手がけるAclimaは7月28日、グーグルが同社のマッピング技術の公益への活用を目的として展開している「グーグル・アース・アウトリーチ」プログラムの一環として、都市の大気質汚染状況のモニタリングに向けて新たなパートナーシップを締結したと発表した。

 今回の提携は、グーグルが提供する地図サービス「グーグル・ストリート・ビュー」の撮影車にAclimaの大気質観測センサーを搭載し、これまで入手不可能だったより詳細な都市の大気質に関する情報を収集、可視化するのが目的だ。撮影車に搭載されたAclimaのセンサーは、二酸化窒素や一酸化窒素、オゾン、二酸化炭素など人体や気候変動に影響がある物質の状況を観測し、データを収集する。

 グーグルおよびAclimaは米コロラド州デンバーで既に試験運転を実施しており、3台の撮影車で延べ750時間を走行し、1億5千万地点のデータを取集している。試験運転にあたってはEPA(米環境保護庁)が科学的な知見を提供した。現在EPAは各地に大気質の定点観測所ネットワークを配備しているものの、実際に地域住民が肌で感じることができる都市の細部に渡る大気質のデータまでは観測できていなかった。グーグルの撮影車に搭載されたAclimaのセンサーは「通り」レベルでの大気質に関する情報を収集することで、EPAの既存の大気質観測ネットワークを大きく補完する。

 今年の秋、Aclimaとグーグルは観測対象地域をサンフランシスコのベイエリアまで拡大し、地域および科学者と共に技術の新たな応用を模索していく予定だという。

 AclimaのCEOを務めるDavida Herzl氏は「グーグルとAclimaの技術を融合することで、都市の環境をより深く理解する未曾有の機会が生まれる。世界人口の半分以上が都市部に住んでいることから、生活の質を保つ上では環境の健康度がますます重要になりつつある。グーグルとの共同試験運転は成功しており、それは今後の都市における大気質の高解像度マップ作成に向けた土台となる」と語った。

 また、グーグル・アース・アウトリーチのプログラム責任者を務めるKarin Tuxen-Bettman氏は「今回の提携で入手可能になった情報により、人々が自身の住む都市の環境をより認識し、どのように大気質を改善していけばよいかについての対話に参加することを期待している」と述べた。

 グーグルおよびAclimaは今回のストリート・ビュー・プロジェクトの以前から提携関係を結んでいる。両者は協力してグーグルの世界21拠点のオフィスにおいて毎日5億地点のデータを収集し、温度や空気質、照明などの室内環境をモニタリングしている。データに基づき従業員の生産性や創造性を高めるワークプレイスを追求するのが目的だ。

 両社の長所を活かした今回の取り組みが都市の大気質改善、ひいては気候変動対策にどのようにつながっていくのか、今後の成果に期待したい。

【参照リリース】Aclima and Google Partner to Map Outdoor Air Quality with Street View Vehicles
【企業サイト】Aclima
【企業サイト】Google

(※写真提供:Rob Wilson / Shutterstock.com

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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