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【アフリカ】東・南部アフリカ諸国、違法木材取引の抑制に向けた歴史的な共同宣言に署名

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 ケニア、タンザニア、ウガンダ、マダガスカル、モザンビークの国立林野庁は9月9日、南アフリカのダーバンで開催されたWWF、TRAFFIC、SADC(南アフリカ開発共同体)主催による「第14回世界森林会議」の中で、東・南部アフリカ地域における違法な木材取引の撲滅に向けた歴史的な共同宣言、「ザンジバル宣言(Zanzibar Declaration)」に署名した。同地域において急速に拡大している森林喪失の抑制に向けた大きな一歩となる。

 WWFのCoastal East Africa InitiativeにてTerrestrial Programm責任者を務めるGeofrey Mwanjela氏は「WWFはこの地域における違法木材取引に関する初の協定書、ザンジバル宣言を歓迎する。宣言は極めて重要な時期に公布された。違法木材取引は驚異的な勢いで拡大しており、今回の各国政府による新たなコミットメントは、そのような違法行為を地域レベルで減らす取り組みを大きく拡大させるだろう」と語った。

 WWFによると、現在アフリカにおける木材や木製品の違法取引はタンザニア、ケニア、ウガンダ、マダガスカル、ジンバブエ、モザンビーク、マラウイ、グリーンハートと呼ばれる西部・中央アフリカにまで及んでいるという。Tanzania Natural Resource Forumと東アフリカ野生生物協会による2012年の調査によると、ケニアはタンザニアとの間の違法取引により年間1000万米ドルを損失しており、類似の政府関係報告によればタンザニアは年間約833万米ドルを損失しているとのことだ。このような違法木材取引の驚異的な拡大は、現在の国と地域の違法性を取り締まる手法の有効性に疑問を投げかけている。

 この点についてWWF のGeofrey Mwanjela氏は「現在の取り締まりは国立林野庁と関税機関との協働が不適切だからだ。そのためWWFは林野庁を支援し、犯罪行為を大幅に減らす大胆な方策を進めている」と語る。

 WWFが作成したLiving Forests Reportでは、2010年から2030年の間に東アフリカにおける森林破壊は1200万ヘクタールに及ぶと見積もられている。WWF遠隔センサーの分析によると、2000年から2012年の森林破壊は、モザンビーク(220万ヘクタール)、タンザニア(200万ヘクタール)、ザンビア(130万ヘクタール)に集中しているという。

 また、UNEP(国連環境プログラム)によると、世界では50~90%の木材が違法に伐採または取引されており、年間300億~1000億米ドルを損失しているという。今回の宣言は森林に関わるステークホルダーらと各国政府、国際機関、そしてWWFをはじめとするNGOらの長期にわたる議論と交渉の成果と言える。今回の宣言をきっかけに違法取引の抑制が進展することを期待したい。

【参照リリース】Eastern and Southern African countries announce groundbreaking move to curb regional illegal timber trade
【団体サイト】WWF

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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