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【国際】食品ロス測定・報告に関する基準「FLW Protocol」が制定、3GF

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 グローバル・グリーン・グロース・フォーラム(Global Green Growth Forum:3GF)は6月6日、7日、デンマーク・コペンハーゲンで2016年サミットを開催、世界初となる「食品損失と廃棄に関する測定および報告に関する基準」(Food Loss and Waste Accounting and Reporting Standard: FLW Standard)のプロトコル「Food Loss+Waste Protocol(FLW Protocol)」を採択した。3GFは、2011年にデンマーク、韓国、メキシコの3ヶ国政府が立ち上げ、その後中国、ケニア、カタール、エチオピアが加盟、現在は7ヵ国政府で構成。加盟機関には政府だけでなく、OECD、IFC、WRI、UNGC(国連グローバルコンパクト)など国際機関やNGO、シーメンス、ヴェスタス、サムソン、現代自動車、ABB、マッキンゼーなどの企業も名を連ねている。今回採択されたプロトコルは、WRIが2013年に召集して開始し、今回、食品の損失と廃棄に関する測定、報告、管理の手法を明確化した。加盟国政府の数は7カ国と多くはないが、WRIが参加していることもあり、国際的な基準に発展する可能性がある。

 現在、世界中で約3分の1の食品が生産から消費までの過程に損失や廃棄されており、全世界で9,400億米ドルにまで相当すると見積られている。その一方で8億人以上の人々が栄養不足の状態にある。現状では、食品の損失と廃棄は温室効果ガスの8%を発生させ、それを一国家の排出量と見なした場合には、中国、米国に次ぐ3番目の量になるという。食品の損失と廃棄への対処は、「国連持続可能な開発目標(SDGs)」の達成目標にも掲げられており、天然資源の減少・枯渇の問題を緩和することにも繋がる。近年、当問題に対処する気運が国際的に高まっているが、廃棄量の把握や発生場所の特定に課題があった。とりわけ、食品の損失や廃棄について、定義も多様であり、一貫性のある議論をすることすら困難であった。

 今回採択されたFLW基準に沿った測定、報告、管理を実践することは、食品の損失と廃棄を削減するのに効果的な戦略そして進化をモニターする上で非常に重要な基盤となる。さらにそのことが政府や企業が気候変動パリ会議やSDGs等、国際的に合意されたコミットメントを推進することにも繋がる。特にSDGs 12.3では、2030年までに食料の損失と廃棄を50%削減することを呼びかけている。世界70カ国の最大手の製造業者と小売業者400以上の集合であるConsumer Goods Forumは、会員企業が業務を通して2025年までに50%の食品の損失・廃棄を削減することを目指しており、今回の基準を支持。ネスレ、テスコなど大企業はすでに測定と報告を開始しているという。

「FLW Standard」として制定された基準

1. FLW Standardを基にした説明と報告
2. 食料の損失と廃棄に関する測定と報告
3. FLWリストに沿った仕分けと報告
 a. 食品生産時から消費後の処理時までの時系列的な流れ
 b. 損失と廃棄の測定において食用、非食用、両用を区別
 c. 廃棄物の最終的な処理方法や用途(動物の餌、生物材料、嫌気性消化処理、コンポスト等)
 d. 損失と廃棄が発生する食品の種類、場所や状況、地理的条件、取扱業者等
 e. 関連事項として、包装物等、食料の損失と廃棄以外のものについては対象外とする
4. 測定方法についての説明(既存のデータを使用の場合には出典と範囲を特定)
5. データサンプリングやデータ単位変換を行った際にはその説明
6. 不確実性(不確実な側面)に関する質的、量的な評価の説明
7. 他者によるFLWリストの内容確認についての説明(関係者との相互評価、検証等)
8. FLW量の監視や減量目標値の設定等に関する説明(基準年や対象範囲等)

【参照ページ】First-Ever Global Standard to Measure Food Loss and Waste Introduced by International Partnership
【プロトコル】Food Loss+Waste Protocol

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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