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【イギリス】マークス&スペンサー「プランA報告書 2016」、新たに22項目達成 2016/07/01 最新ニュース

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 英小売大手マークス&スペンサーは6月9日、同社のサステナビリティ報告書である「2016 Plan A Report」を発表。2015年までの達成状況を明らかにした。マークス&スペンサーは1884年創業の老舗小売チェーン。ロンドン証券取引所にも上場しており、イギリスの代表的な株式指数であるFTSE100の採用銘柄にもなっている。同社は2007年に、長期的サステナビリティ戦略「プランA」を掲げ、先進的な取り組みを実施していることでも有名。「Plan A Report」は、同社が掲げる2020年までの長期ゴールに対しての進捗状況を情報開示するために発表されている。

 プランAは、環境、社会、経済など幅広い103項目に関して、具体的な達成目標を設定している。103項目それぞれに対して、「達成」「計画通り」「計画に遅れ」「未達成」の4つのステータスで達成状況を明らかにしており、2015年までに「達成」となったのは57項目、2015年に達成したのはそのうち22項目だ。103項目それぞれの目標レベルは世界でもトップクラス。例えば、二酸化炭素排出量削減に関しては、グローバル大手企業が数%から数十%の削減目標を掲げる中、同社は「ネットカーボンフットプリント(純排出量)ゼロ」を掲げており、この目標はすでに達成されている。同社は、純排出量を、実際の排出量から、自社再生可能エネルギー発電の売電によって社会が削減できる排出量とカーボンオフセットの購入を通じて相殺できる排出量などを差し引いて、算出している。排出量算出では、「スコープ3」と呼ばれるサプライチェーン上の排出量までもカウントに入れており、純排出量ゼロを達成している企業は同社によると世界中で他にない。

 2015年に実現した主要ポイントとしては、

・寄付を行い食品廃棄物削減を9%削減
・一般消費財利用時に発生するプラスチック微粒子の除去により海洋生物の保護に努力
・衣類・食品分野合計1,230社のサプライチェーン相関図を公開
・同社販売商品のパーム油利用100%でサステナビリティ認証を取得
・同社販売商品の3分の4を環境および倫理配慮型商品に(単年で9%上昇)
・同社メンバーズカード保有者90%が寄付キャンペーンに賛同し100万ポンド以上の寄付実施
・店舗および倉庫でのエネルギー使用量39%削減、水使用量31%削減
・同社人権報告書を初めて発行

 同社は、販売商品全てをオーガニック製品や環境配慮型にしていくなど、日本では「ニッチ」と言われそうな業態ではあるが、店舗数は世界全体で1,300を超える。そのうち、英国内が約900と70%を占めるが、海外にも40%をすでに展開。欧州全域や中東、最近では中国、インド、タイなどでも多数の店舗を展開している。従業員数は世界全体で8万人以上。売上高は104億ポンド(約1兆4,000億円)で、日本企業の売上高ランキングで考えると、イオン(約7兆円)、セブン&アイグループ(約6兆円)、ファーストリテイリング(約1兆6,000億円)、ヤマダ電機(約1兆6,000億円)に続き、第5位となる規模だ。1884年創業のマークス&スペンサーは、もとから環境・社会志向であったわけではない。2000年代には業績低迷にも悩み、その後「プランA」を始めとする企業コンセプトの刷新を図り、現在のポジションを確立した。英国内でも毎年店舗数と売上を拡大しており、英国では消費者のマインドも、一部の高所得者層だけかもしれないが、環境・社会志向が強くなってきていることが伺える。

【参照ページ】M&S PUBLISHES 2016 PLAN A REPORT AND PUTS CUSTOMER AT THE HEART OF ECO AND ETHICAL PLAN
【報告書】Plan A 2016
【企業サイト】Marks and Spencer

株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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