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【国際】バイオプラスティック市場、今後年17.5%で成長。市場調査報告書まとめ

bioplastic

 米オレゴン州を拠点とする調査会社、Big Market Researchは、2014年から2020年までのバイオプラスティック市場の状況と予測に関するリポートを発行した。本リポートの主要点として、(1)グローバル市場の拡大および抑制要因の分析、(2)2014年から2020年間の市場取扱量・収益の推移とその背景、(3)量的・質的トレンド、(4)異なる種類のバイオプラスティックと、消費する産業別の詳細分析、(5)戦略構築に向けたSWOT分析、(6)多様な地域にわたる主要な市場参入者の業務実践に関する情報等が盛り込まれている。

 バイオプラスティックとは、合成樹脂のプラスティックと類似の特性や機能を持ち、再生可能な原材料であるトウモロコシ、砂糖キビ、セルロース等で製造されるプラスティックだ。環境に優しく、原材料の入手が容易で、推進に向けた各国の政策により従来のプラスティックからの転換が増加している。

 市場での取扱量は2014年に486万9,200tになり、2015年から2020年までの年平均成長率は17.5%と見積られている。バイオプラスティック製品の使用量の増加とエンドユーザー産業からの評価向上がこの成長を牽引している。一方で高額な製造コストが成長の阻害要因になりかねない側面もある。

 バイオプラスティックは、広範な産業領域にわたり使用されている。硬質包装、フレキシブル包装、テキスタイル、一般消費財、農業・園芸、自動車の輸送、電気・電子、建設等だ。2014年には硬質包装用が最も多く消費され、この傾向は2020年まで続くと予測されている。バイオプラスティックは光沢、障壁効果、静電気防止性、印刷適性等の特性を持ち、硬質包装にも適している。

 包装業界は、短期間の繁忙期に大量の原料が求められることから、廃棄物が多くなりやすい。そのため、廃棄物の減少やリサイクルを実現させるため、バイオプラスチックの生物分解性に大きな関心を寄せている。バイオプラスティック市場は、生物分解性をもつタイプともたないタイプに分けられる。さらに分解性をもつタイプは、ポリ乳酸(PLA)、ポリヒドロキシアルカン酸(PHA)、ポリエステル、スターチブレンド等に分けられ、分解性をもたないタイプはバイオPA、バイオPE、バイオPET等に分けられる。2014年には、合成樹脂プラスティックに非常に近い特性や機能を持つ非分解性タイプの方が多く使用された。

 市場は、北アメリカ、ヨーロッパ、アジア太平洋、ラテンアメリカ、中東、アフリカなど広範囲だが、2014年にはヨーロッパが最大の収益源だった。同地域の政策決定者は、地域内のバイオプラスティック製造業を支援し、特にドイツ、イタリア、英国で進展が際立っている。しかし今後はアジアで最も早い成長が期待されており、2015年から2020年の間に年平均成長率が19.6%と見込まれている。この背景には、同地域での膨大な原材料の存在と、それに対する巨大な資本投入が見込まれていることがある。

 今回の報告書では、世界的に有力な伯ブラスケム、伊ノバモント、英バイオム・テクノロジーズ、独BASF等の先駆的企業の事例も取り上げられている。

【参照ページ】World Bioplastics Market is Valued at $30.8 Billion, Outlines a Study Added by BMR
【報告書】World Bioplastics Market - Opportunities and Forecast, 2014 - 2020

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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