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【イギリス】政府、大規模な海外領土海域を海洋保護区に指定。100万km²で商業漁業を禁止

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 英国の外務・英連邦省は9月15日、英国の海外領土として保有する太平洋及び大西洋の島々の領海及び排他的経済水域(EEZ)において、海洋生態系を保護するため海洋保護区(MPAs)に指定したことを発表した。今回指定の対象となった島は、アフリカ沖大西洋に位置するセントヘレナ島の海域(444,916km²)と、太平洋に位置するピトケアン諸島の海域(840,000km²)。セントヘレナ島の海域では資源採掘が禁止され、ピトケアン諸島の海域では資源採掘の他、地元住民による生活漁業を除く商業漁業が全面的に禁止される。

 さらに同省は、2019年までに同じくアフリカ沖大西洋に位置するアセンション島の海域(445,390km²)、2020年までに同地域のトリスタンダクーニャ諸島の海域(750,510km²)も海洋保護区に指定することを発表した。アセンション島の半分の海域では地元住民による生活漁業を除く商業漁業が全面的に禁止される。またアセンション島の全海域とトリスタンダクーニャ諸島の海域では資源採掘も禁止される。

 海洋保護区(MPAs)とは、生態系や生物多様性の保全に対する世界的な意識の高まりを背景に、法律や慣習により海域や沿岸の生物多様性を周辺よりも高いレベルで保護する効果を有する区域。海洋保護区を設置する動きに関しては、生物多様性条約締約国会議や国際自然保護連合(IUCN)がリードし、世界各国で海洋保護区を設定する動きが出てきている。日本でも海洋基本法のもとで海洋保護区を設定していくことの重要性が指摘されている。

 英国は以前の大英帝国の名残で、今も太平洋、大西洋、インド洋に島を海外領土として保有しており、海洋支配面積は世界第5位。すでに同省は、2013年に南大西洋のサウスジョージア・サウスサンドウィッチ諸島の海域を海洋保護区海洋保護区に指定しており、今回発表された4つの海域を加えると、合計で400万km²という広大な海洋地域が保護地域に指定されることとなる。400万km²はインドの大陸面積を超えるほどの規模。また、商業漁業が禁止されたピトケアン諸島海域とアセンション島の半分の海域は合計で100万km²となり、非常に大きなインパクトとなる。

 この日は、米国ワシントンで「Our Oceansサミット」が開催されており、同じ場で米国のオバマ大統領も、米国がナショナル・モニュメント(保護地域)に指定している北大西洋のNortheast Canyons and Seamounts Marine National Monumentの海域12,800km²で、商業漁業を禁止することを表明している。米国はそれに先立つ今年8月に、北西ハワイ諸島に広がり2010年に世界遺産にも登録されたパパハナウモクアケア地域(1,493,790km²)を海洋保護区に指定し、資源採掘と観光目的の小規模漁業を除く商業漁業を禁止することも発表している。パパハナウモクアケア地域は現在、世界最大の海洋保護区。

【参照ページ】UK set to protect 4 million square kilometres of ocean
【参照ページ】Obama to establish first marine national monument in the Atlantic Ocean
【参照ページ】Papahanaumokuakea Marine National Monument
【参照ページ】Obama to establish first marine national monument in the Atlantic Ocean

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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