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【国際】世界「男女平等ランキング」、日本は111位で昨年より後退。北欧諸国が上位独占 2016/11/06 最新ニュース

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 世界経済フォーラム(World Economic Forum)は10月20日、各国のジェンダー不平等状況を分析した「世界ジェンダー・ギャップ報告書( Global Gender Gap Report 2016)」を発表し、毎年発表している2016年版「ジェンダー・ギャップ指数(Gender Gap Index:GGI)」を公表した。対象は世界144カ国。格差が少ない1位から5位までは、アイスランド、フィンランド、ノルウェー、スウェーデン、ルワンダで、日本は111位だった。その他では、ドイツ13位、英国20位、米国45位、中国99位でいずれも日本より上。韓国は116位だった。この指数では、ジェンダー間の経済的参加度および機会、教育達成度、健康と生存、政治的エンパワーメントという4種類の指標を基に格差を算定し、ランキング付けされている。

  1. アイスランド
  2. フィンランド
  3. ノルウェー
  4. スウェーデン
  5. ルワンダ
  6. アイルランド
  7. フィリピン
  8. スロヴェニア
  9. ニュージーランド
  10. ニカラグア
  11. スイス
  12. ブルンジ
  13. ドイツ
  14. ナミビア
  15. 南アフリカ
  16. オランダ
  17. フランス
  18. ラトビア
  19. デンマーク
  20. 英国

 ランキングは、北欧諸国がトップ4を総なめにし、もう一つの北欧諸国デンマークも19位に付けている。一方、ルワンダ、ブルンジ、ナミビアなどのアフリカの発展途上国がトップ20入りを果たしているが、その背景には内戦の影響で男性が多数命を落とした結果、女性の政治家や従業員割合が多くなった結果だ。それ以外には、ヨーロッパの先進国が順当にランクインしている。

 日本は昨年の101位から111位に順位を落とした。日本の評価は項目ごとに大きな開きがある。読み書き能力、初等教育、中等教育(中学校・高校)、平均余命の分野では、男女間に不平等は見られないという評価で世界1位のランク。一方、労働賃金、政治家・経営管理職、教授・専門職、高等教育(大学・大学院)、国会議員数では、男女間に差が大きいとの評価で世界ランクがいずれも100位以下。それ以外の項目でも50位を超えるランクはひとつも取れなかった。全体として、義務教育や健康など基本的な事項については男女平等は確立できているが、女性の社会進出や評価については、各国に比べ差別があるという結果となった。全体順位111位という結果は、G7諸国とロシアを含む先進8ヶ国の中で断トツの最下位。中国も男女差別がある国のように見えるが、高等教育と教授・専門職では男女平等という評価で世界ランク1位を取得し、一方で中等教育や平均余命では男女差があるなど日本とは全く逆の傾向。ちなみに中国の国家議員数ランクは61位と日本よりもかなり高い。

 その中で、英紙ガーディアンは、ドイツと英国の男女賃金格差の是正ついて取り上げている。ドイツのメルケル首相率いる中道右派のキリスト教民主同盟と中道左派の社会民主党は、同国での女性の賃金が男性より21%低いことを受けて、200人以上を雇用している企業の従業員が、同等の(匹敵する)地位にある男女の賃金の匿名データを確認する権利をもてるようにするルールに関して原則合意している。さらに500人以上の従業員を雇用している企業に対し、5年ごとに男女の賃金格差をチェックし報告するよう要請していく方針を掲げた。ドイツでの女性賃金が低いことは、地位の高い役職に女性が少ないことが影響しているが、同役職比較でも女性賃金のほうが平均7%低かったという。しかし与党キリスト教民主同盟からは杓子定規的な運用は不振と監視の風潮を生み出しかねないと反対論も出ており、まだ立法化の目処は立っていない。

 英国の賃金格差の状況については、米コンサルティング大手のデロイトの分析データの一部を紹介。2015年には、1970年の「平等賃金法」の制定以来、最も格差が少ない9.4%だったが、特に女性が大多数を占める分野での格差是正の歩みが遅すぎるため、実現するのは2069年と推計された。ギャップを埋めるまでにあと半世紀かかるという。デロイトが特に注目したのは、英国においては新卒者に人気のある職種の内、1職種を除いてはスタート時点での男性の平均賃金の方が高く、時間の経過と共に10種類全てで格差が大きくなるという点。政府は一世代間での格差の是正を目指しているが、フルタイムで働く男女間の1時間あたりの格差は、年間2.5ペンス(約3円)しか縮小していない。同国の高等教育統計局(HESA)のデータを分析したところ、初任給の格差が最大の職種の1つはヘルスケア分野で、女性の年収が4,000ポンド(約520,000円)、14%低い。この分野に就職する4分の3以上の新卒者は女性であり、全体的な格差に大きな影響を及ぼしていることが考えられる。やはり女性が多い教職においても4%に当たる1,000ポンド(約130,000円)低かった。

 ドイツや英国などヨーロッパ諸国は、トップ20位入りしているものの、ジェンダーギャップに関しての課題感が大きく、政府も解消に向けた政策を続けている。日本はどうか。

【ランキング】The Global Gender Gap Report 2016
【参考ページ】Germany to require firms to publish data on gender pay parity
【参考ページ】Gender pay gap won’t close until 2069, says Deloitte

株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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