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【アメリカ】NY州最高裁、エクソンとPwCに対し気候変動証拠文書を司法当局へ提出するよう命じる判決

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 米ニューヨーク州最高裁判所は10月26日、石油世界最大手エクソンモービルと、同社の監査法人PwCに対し、同州のエリック・シュナイダーマン州司法長官が発した証拠文書提出令状に応じることを命じる判決を下した。シュナイダーマン州司法長官は昨年頃より、エクソンモービルが温室効果ガスや排出や気候変動に関連するリスクを投資家や市民に対して偽っているという詐欺行為の疑いで捜査をしており、昨年11月同社に対して、今年8月にPwCに対して、関連証拠書類を提出するよう求める命令を出している。それに対して、エクソンモービルは、会計士とクライアントの機密特権があるとして、PwCに対して文書提出命令に応じないよう要求していた。

 ニューヨーク州最高裁判所は、エクソンモービルが会計士とクライアントの機密特権を同社の本社があるテキサス州の州法に依拠し主張しているが、ニューヨーク州法では、今回の文書提出命令に関し秘密特権は適用が認められないと判断。エクソンモービルとPwCは証拠文書提出命令に応じなければならないと結論づけた。一方で、エクソンモービルは、同捜査開始以来、すでに1百万ページ以上にも及ぶ書類を提出していると反論。この捜査は、気候変動というテーマで石油・ガス企業を屈服させようという政治的意図に満ちたものであり、また当局が求める座礁資産の評価については米証券取引委員会(SEC)のガイドラインには則しておらず、資産評価の適正性に関する判断はSECが行うべきだとし、ニューヨーク州とマサチューセッツ州の司法当局が発した文書提出命令を無効とするよう10月17日に連邦裁判所に申し立てている。今回のニューヨーク州最高裁判所の判決に対しても不服とし、連邦裁判所に上告する考えを表明している。

 本件に関しては、すでにSECも動き出している。SECは、原油価格下落や気候変動という社会環境下で、エクソンモービルが今後の資源プロジェクトを適切に資産評価しているかどうかについて調査を開始している。

 気候変動に関する社会や経済界、投資家の関心が高まる中、米国では司法分野でも活発な動きが出てきている。この、エクソンモービル気候変動情報開示問題については、今後は連邦裁判所とSECが議論の舞台となる。

【参照ページ】ExxonMobil Asks Federal Court to Invalidate New York Attorney General’s Subpoena
【参考ページ】Exxon, Auditor Must Comply With New York Climate Fraud Subpoena, Court Says
【参考ページ】Exxon Mobil Investigated for Possible Climate Change Lies by New York Attorney General

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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