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【国際】サステナビリティとブランド力との間に相関関係。CSR Hub調査。

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 CSR評価・データ提供大手のCSR Hubと、ブランド戦略コンサルティングのBrand Finance社が、企業のブランドとサステナビリティの関係に関する非常に興味深い研究を実施している。

 CSR Hubは2013年に同社のCSR評価とBrand Finance社の公表しているBSI(Brand Strength Index:ブランド力指数)との相関関係について調査した結果、幅広い業界に渡る1,000社以上の企業において、両者の評価要因の間には28%の相関が見られたと公表していた。

 そして同社は今年もBrand Finance社が公表した2014-2015年度版の世界上位500社のデータを入手して同様の調査を実施した結果、改めて企業のブランド力とサステナビリティとの強い相関関係を発見したという。

 Brand Finance社は毎年数千社以上のブランド力を評価し、TOPブランド500を選出している。同社の評価は企業単位ではなくブランド単位で行われるため、一つの企業が複数ブランドを持つ場合、それぞれがリストに選出される。2015年のBrand Finance Banking 500では49の新たなブランドがランクインし、2つ以上のブランドがランクインした企業数は59社に上った。

一方のCSRHubは127か国、13,700社以上の企業のサステナビリティデータを保有しており、重複を除いてBrand Finance’s Banking 500の選出されたブランドの95%以上のデータを網羅している。

今年の調査では、CSRHubの12のサステナビリティ評価指標とBrand Finance社のBSIとの相関は25%となり、引き続き2013年の調査時の28%に近い数値を示した。

 また、前回の調査と今回の調査では、サステナビリティとブランドの相関が強く見られる指標が変化してきている。例えば、2013年の調査では福利厚生、ダイバーシティ、労働の権利、教育、健康と安全、環境方針、レポーティングにおいて正の相関が見られ、これらの指標のパフォーマンスが高い企業はブランド価値も高い傾向があることが分かったが、2015年の調査では、教育、健康と安全は引き続き高い正の相関を示した一方で、ダイバーシティや労働の権利、環境方針、レポーティングは同様の結果とはならなかった。

 CSR HubのBahar Gidwani氏は、このような変化はステークホルダーらが重視する課題の変化によるものだと信じているが、一方で業界の多様性が関係している可能性もあるとしている。前回の調査では今回の調査の4倍以上のサンプルを基に分析を実施していたためだ。

 上記の結果を踏まえ、Gidwani氏は2年前に明らかにしたサステナビリティとブランドとの相関関係は、以前として継続していることが分かったとしている。また、同氏は、サステナビリティがブランド力につながっているという因果関係を主張することはできないものの、サステナビリティへの投資は、ブランド価値向上に貢献し得るとする我々の信念が強まったとしている。

 ブランド力の高い企業だから優れたサステナビリティ活動が実践できるのか、サステナビリティがブランド力につながっているのかまでは分からないが、少なくとも両者の間に相関関係があるという事実は、CSR担当者が社内でCSRの重要性を説明する際の助けにはなるだろう。より詳細なデータについて知りたい方はぜひ下記を確認して頂きたい。

【参考ページ】Financial Company Brand Strength Remains Related to Sustainability Factors
【企業サイト】Brand Finance
【企業サイト】CSR Hub

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