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【スイス】複数年金基金、海外企業に共同エンゲージメントを実施する仕組みを設立 2016/11/15 ESG

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 スイスの年金基金がESG投資を推進するために1997年に設立した財団のEthosは10月27日、スイス国内の6つの年金基金とともに、海外企業に対して共同エンゲージメント(コレクティブ・エンゲージメント)を行う新たなプログラム、Ethos Engagement Pool International(EEP International)を立ち上げたことを発表した。

Ethosは、2004年にスイス国内上場企業に対し共同エンゲージメントをするためのプログラム、Ethos Engagement Pool(EEP)を開始し、現在ではこのプログラムにスイスの機関投資家130団体が参画している。EEPの仕組みは、毎年参画メンバーは、お互いの考えをシェアしながらエンゲージメントすべきテーマを設定し、Ethosが中心となって企業とのエンゲージメントを行うというもの。エンゲージメントを通じて得た情報は参画メンバーに共有される。さらに共同エンゲージメントで得た情報の簡略版はEthosのホームページに公開される。

 今回のEEP Internationalは、このEEPでの成功を基に、対象企業を海外にまで拡大するため設立された。参加する6年金基金は、ジュネーブのCIEPPとCAP Prévoyance、ベルンのCaisse de pension d’UNIA、バーゼルのAbendrot Stiftung、ミュンジングのProsperita Stiftung für die berufliche Vorsorge、ラ・ショー=ド=フォンのPrévoyance.ne。6団体の合計運用資産残高は150億スイスフラン(約1.6兆円)。EEP Internationalは2つの手法で共同エンゲージメントを進めていく。一つは国際投資家らが展開している共同イニシアチブへの参加。Ethosはこれまでも共同イニシアチブに参加してきた実績があり、例えば2013年のバングラデシュ・ビル倒壊事件で生産者が被害を受けたときには、200以上の機関投資家らが集まって企業に対して働きかけを行った取組に参加し、実際に企業から事業改善を引出している。もう一つは、Ethosがテーマに応じて欧州大企業を選択し直接的に共同エンゲージメントを行うというもの。

 EEP Internationalでは、参画年金基金への透明性確保として、Ethosが対象とするスイス国外の企業1,600社のESG評価を同財団のオンラインプラットフォーム上に公開し、参画年金基金がいつでも閲覧できるようにする。ESG評価には、人権、環境などの他、武器、原子力、化石燃料、タバコ、遺伝子組換え食品(GMOs)などへの関与なども含まれる。参画年金基金は、これらの情報とEthosが実施するエンゲージメント結果を統合的に判断し、ポートフォリオ構築に反映させていく。

【参照ページ】Ethos and six swiss pension funds found ethos engagement pool international

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