Sustainable Japan QUICK ESG研究所

【RI 特約記事】GPIFが英/米の取締役会のダイバーシティ(多様性)・イニシアチブに参加 2016/11/15 ESG

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 本稿は、レスポンシブル・インベスターの掲載記事をQUICK ESG研究所が翻訳したものです。

 年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は、大西洋の両岸で展開する取締役会のダイバーシティ(多様性)・イニシアチブに参加した。

 このイニシアチブへの世界最大のアセット・オーナーの追加署名は、ESG投資への強い意思を意味している。具体的には、GPIFは、取締役会における女性比率を30%にする活動を推進する英国の「30%クラブ」、米国の「30%コアリション」に署名した。英国の「30%クラブ」はファンドマネージメント業界での先進的な存在である Helena Morrissey氏により、FTSE100採用企業の取締役会の女性比率を最低でも30%にする目的で2010年に英国で設立された。米国の「30%コアリション」は、別のイニシアチブであり、代表的な機関であるCalSTRS、Thomson Reuters、JP Morgan Chaseの支援を受けており、上場企業の取締役会における女性比率を30%にすることを含む女性の躍進に対してコミットメントしている。

 GPIFは、投資プロセスへのESG要素の統合はリスクを低減すると論じており、署名表明の中で、性別の多様性(Gender Diversity)は社会、ガバナンス要素の中の主要項目の一つであると説明している。この2つのイニシアチブへの参加により、GPIFは受益者に対する受託者責任を果たすために必要となるESGに関する知識をより深めることができる。また、135兆円(1兆ユーロ)の資産を持つGPIFは、先月(2016年10月)上旬に市場運用部にスチュワードシップ推進課を設置し、同課課長には小森博司氏が就任した。

 GPIFはこの組織の目的として、より戦略的な視点からのスチュワードシップやESGに関する取り組みによる受益者に対する受託者責任の強化と、日本における責任投資への理解の普及を挙げている。GPIFは2015年にPRIに署名しており、日本におけるESG投資の拡大を促進すべく、今年7月にはESG指数の公募を発表した。今年に入り日本政府は、新たにハイレベルな長期投資検討グループを立ち上げ、そのメンバーにはこの分野の先進的な存在であるGPIFのCIO水野弘道氏やガバナンスのエキスパートである伊藤邦夫教授が座長として名を連ねた。それは、経済産業省(METI)により8月に設立された「持続的成長に向けた長期投資(ESG・無形資産投資)研究会」であり、企業価値の拡大とESG要素を考慮した中長期間での投資を促進することを目的としている。

 日本でのさらなる動きとして、監査基準を改善する目的のもと、金融庁(FSA)により年末までにコーポレートガバナンス・コード改訂版のリリースが計画されている。この改訂は、現時点ではまだ検討段階だが、ステークホルダーの付託に応えるべく、独立した非執行役員を監査役として設置することを計画している(11/10、ロイター通信による)。金融庁の開示業務室長である原田一寿氏によると、監査役は日本市場において重要な機関であり、彼らが第三者の意見に耳を傾けることは、その機関としての役割を担う上で欠かせないことだ。


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Responsible Investor, Daniel Brooksbank;Elena K. Johansson(翻訳:QUICK ESG研究所)

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