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【国際】欧州の機関投資家ら、北極圏での資源採掘停止を呼びかける共同声明を発表 2016/11/21 ESG

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 フランスのERAFP(フランス公務員退職年金基金)、嘱託職員向けの補足年金基金Ircantec、公務員向け個人年金保険Prefonは11月3日、フランスの運用会社ナティクシス・アセット・マネジメント及び同会社の責任投資運用子会社Mirovaと共同で、北極圏公海域内のあらゆる石油・天然ガス開発の無条件停止を求める声明を発表した。この声明には、オランダActiam、仏アクサグループ、スイスBank J. Safra-Sarasin、仏BNPパリバ・インベストメント・パートナーズ他14機関も署名に参加。全体の合計運用資産残高は5兆ユーロ(約580兆円)を上回る規模となった。

 現在、地球温暖化による海氷面積の減少に伴い、北極圏の資源開発が活発になっている。北極圏の未発見石油資源量は世界の13%、天然ガスは30%と試算されており、将来の資源探査・開発の有望地域と考えられている。2007年に北極点海底にロシア国旗が立てられるなど、資源獲得競争は激しさを増す一方で、国際環境NGOは石油会社による資源開発で北極圏の自然環境が脅かされていると警告している。

 そのため今回発表された共同声明では、北極圏でのエネルギー資源開発に関わる石油・ガス会社と米国、カナダ、デンマーク、フィンランド、アイスランド、ノルウェー、ロシア、スェーデンの8カ国で構成される北極評議会を対象に、激化するエネルギー資源開発競争から北極圏の自然環境を守ることを要望している。声明文は、北極評議会の加盟国の他、日本を含むオブザーバー参加国、評議会の常時参加者である北極圏諸国に居住する先住民6団体に向けて発せられている。声明の中では、同評議会加盟国の北極圏領海内における新規掘削や採掘期間延長時に、各国政府に対し気候変動政策と資源採掘事業との間に整合性が図られているかを考慮に入れること、また進行中の開発プロジェクトについては、操業リスクが最も小さく先住民族と協業する企業にのみ許認可を付与するとした各国共通のガイドラインの遵守も求めている。

 また声明文では、石油・ガス企業に対し、北極海での操業の自発的な停止、生態学的に重要なエリアと北極海評議会が認定する場所での開発の忌避、さらに開発場所や有効期限を含む採掘ライセンスの取得状況やライセンス行使の計画、気候変動抑止コミットメントとの整合性に関する情報開示を要求した。

【参照ページ】Mirova and Natixis Asset Management as well as 17 other international investors representing over €5 trillion in assets under management seek an unlimited moratorium on oil and gas activity in the Arctic high seas

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