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【日本】IIRC、「伊藤レポート」で知られる一橋大学の伊藤邦雄教授を統合報告大使に任命 2015/05/21 ESG

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 統合報告を推進する国際団体のIIRC(The International Integrated Reporting Council)は4月16日、「伊藤レポート」で知られる一橋大学の伊藤邦雄教授をIIRCの統合報告大使に任命したと発表した。

 伊藤氏はこれまで政府顧問として日本における統合報告の普及に尽力してきた。日本IR協議会によれば現在日本では約130社が統合報告に取り組んでいるが、今回IIRCはこうした日本における統合報告の広がりに対する伊藤氏の多大なる貢献を評価した形だ。

 同氏は経済産業省が取り組んできた「持続的成長への競争力とインセンティブ~企業と投資家の望ましい関係構築~」プロジェクトの座長を務め、約 1年に渡る議論を経て最終報告書、通称「伊藤レポート」をまとめ上げた。同レポートは企業が投資家との対話を通じて持続的成長に向けて資金を獲得し、企業価値を高めていく上での課題を分析、提言したものだ。資本効率を意識した経営改革、インベストメント・チェーンの全体最適化、双方向の対話促進などについて触れた上で、それらを達成する手段として統合報告の有効性を指摘している。

 また、同レポートは2014年2月に金融庁が発表した機関投資家向けの「日本版スチュワードシップ・コード」によって補完され、現在では投資家との対話を強化するべく多くの企業が統合報告を実践し始めている。

 今回の任命にあたり、IIRCのCEOを務めるPaul Druckman氏は「『伊藤レポート』は日本企業の経営陣にとって重要なツールとなり、日本の企業報告を取り巻く環境を変えつつある。統合報告は政府と資本市場双方からの支援を受けながら将来の企業報告の姿として確立されつつあり、統合報告の実践は長期投資の環境だけではなく企業業績と生産性の改善にもつながるという認識が芽生えてきている。伊藤氏のリーダーシップは高く評価されるべきであり、彼が統合報告の大使となることを嬉しく思う」と語った。

 日本では昨年の機関投資家向け日本版スチュワードシップ・コード公表に続き、今年の6月から企業向けにコーポレート・ガバナンスコードが施行される予定だ。企業と投資家による対話の促進が期待されるが、その対話において重要なツールとなるのが統合報告だ。今回のIIRCによる伊藤氏の統合報告大使任命をきっかけに、さらに日本でも統合報告への取り組みが進むことを期待したい。

【参照リリース】Professor Kunio Ito of Hitotsubashi University becomes Ambassador for Integrated Reporting
【団体サイト】IIRC
【参考サイト】伊藤レポート

株式会社QUICK ESG研究所

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