Sustainable Japan QUICK ESG研究所

【セミナー参加報告】「G8社会的インパクト投資シンポジウム」5月29日、30日に開催 2015/06/02 ESGコラム

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 2014年7月から活動を開始したG8社会的インパクト投資タスクフォース国内諮問委員会(委員長 小宮山宏 三菱総合研究所理事長)は公益財団法人日本財団と共催で、5月29日と30日に東京証券取引所にて「G8社会的インパクト投資シンポジウム~投資で創る社会的事業 経済的リターンと社会的リターンを同時にスケールする」を開催した。

 日本で社会的インパクト投資市場を開拓するために、どのようなことが求められるのか、日本の社会課題解決に向け、社会的インパクト投資が果たす役割について議論が行われ、社会的インパクト投資市場拡大のための7つの提言と具体的なアクションが公表された。7つの提言とは、(1)休眠預金の活用、(2)ソーシャル・インパクト・ボンド、ディベロップメント・インパクト・ボンドの導入、(3)社会的事業の実施を容易にする法人制度や認証制度の立ち上げ、(4)社会的投資減税制度の立ち上げ、(5)社会的インパクト評価の浸透、(6)社会的インパクト投資に関する受託者責任の明確化、(7)社会全体として社会的インパクト投資に対する機運を高めていくための個人投資家層の充実、である。

 

 1日目のプログラムは、G8社会的インパクト投資タスクフォース委員長であるロナルド・コーエン卿のキーノートスピーチでスタートした。コーエン卿は、どのような力を使えば社会的課題の解決に対応できるのか、社会的インパクト投資とは、特定の社会的課題をターゲットにし、金銭的にもリターンを求める投資であることを強調した。続いてのセッションでは、高齢化社会、地方創生といった社会的課題に対する社会的インパクト投資の有効性について活発な議論が繰り広げられた。クロージングセッションでは、7つの提言を実現するために何が必要か、シンポジウムを通して気付いたことについて登壇者より発表が行われ、社会的インパクト投資に対する機運が高まっていることが報告された。PRIや統合報告フレームワーク、スチュワードシップ・コード、コーポレート・ガバナンス・コードなどが社会的インパクト投資を後押しする契機となる可能性があるとの意見もあった。そして、資金需要側と資金供給側の双方を含む社会的インパクト投資のエコシステム(生態系)の充実が不可欠であることが確認された。

 2日目のプログラムは、サードセクター・キャピタル・パートナーズ ダイレクターであるティム・ペヌル氏によるソーシャル・インパクト・ボンドの事例研究でスタートした。続いて日本におけるソーシャル・インパクト・ボンドの第一号案件となった横須賀市のパイロット事業について吉田雄人横須賀市長より発表が行われた。そして、休眠預金の活用に向けて休眠預金活用推進議連によるパネルディスカッションが行われた後、塩崎恭久厚生労働大臣が「日本の社会保障と社会的インパクト投資」についてクロージングコメントをもって盛況のうちに閉幕した。

【関連機関】 日本財団

執筆:QUICK ESG研究所 波多野 肇

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