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【ドイツ】アリアンツ、気候変動対応を事業戦略に統合、石炭からの投資引揚げへ 2015/12/02 ESG

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 ドイツ生命保険大手のアリアンツは11月26日、気候変動対応を事業ポートフォリオ全体に統合し、石炭への投融資を停止すると発表した。今後、売上の30%以上を石炭採掘から得ている企業および石炭のエネルギー生成比率が30%以上の企業に対しては投融資を行わない方針を固めた。同社は石炭からの撤退に伴い、2016年3月までに2億2500万ユーロ相当の株式から投資を引き揚げる予定で、39億ユーロ分の債券も満期とともに撤退する。

 また、同社は気候保全に向けた事業戦略として、石炭からの投資引揚げ以外にも「投資ポートフォリオ全体における透明性の確保」「途上国における気候リスク保険の提供」「低炭素投資」という3つの軸を公表した。

 投資ポートフォリオの透明性確保については、温室効果ガス排出量やエネルギー効率、腐敗といった37のESG基準を活用してポートフォリオ全体の分析を実施する。これは同社としても初の試みとなる。現在アリアンツは6300億ユーロ以上を投資しており、うち90%以上が確定利付証券や株式となっている。今後はMSCI ESGリサーチが提供する情報に基づき2016年半ばまでにポートフォリオ全体のESGリスクを把握、透明性を確保し、より的を絞ったリスク管理体制を構築する予定だ。

 アリアンツのチーフインベスターを務めるAndreas Gruber氏は「顧客の資金を投資する際に、我々は長期に渡って安定し続ける魅力的なリターンが得られるかを重要視している。そうした観点から、早い段階から環境や社会面のリスクを考慮に入れることがますます重要になってきている」と語る。

 また、アリアンツは途上国の人々の気候変動リスクを軽減する取り組みも拡大する予定だ。同社は既にマイクロファイナンス機関として5700万人の人々に低額の保険商品を提供しており、アジアでは米農家に向けに人工衛星技術を基にした保険モデルの構築などに取り組んでいる。今後、同社はミュンヘン気候保険イニシアチブの一環として、他社と協働しながらG7が目標に掲げている途上国に暮らす4億人以上の人々を対象とする新たな気候保険の開発を進めていく。

 そして低炭素投資については、同社は既に再生可能エネルギー投資のリーディングカンパニーとして25億ユーロの投資をコミットしているが、中長期的には投資金額を少なくとも現在の2倍以上に拡大するとのことだ。

 世界を代表する生命保険会社として、石炭からの投資引揚げをはじめとして気候変動対応を事業に統合するための様々な計画を公表したアリアンツ。サステナビリティ先進企業として今後も業界全体を牽引する革新的な取り組みに期待したい。

【参照リリース】Climate protection will become part of core business
【企業サイト】Allianz

(※写真提供:360b / Shutterstock.com

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