アパレル世界大手英バーバリーは11月6日、新たな生物多様性戦略を発表した。同戦略は、同社が6月に行った2040年までに二酸化炭素ネット排出量をマイナスにする「カーボンネガティブ(気候ポジティブ)宣言」を拡大し、生物多様性もスコープに含めた。
【参考】【国際】バーバリー、2040年カーボンネガティブを宣言。オフセットや生態系保全プロジェクトへ投資(2021年6月18日)
生物多様性戦略では、同社基金バーバリー・リジェネレーション基金を通じた同社バリューチェーン上の自然保全、認証取得やトレーニング等を通じた原料農家コミュニティの支援拡大、リジェネラティブ農業や土地管理を実践したサプライチェーンの構築が柱。「Avoid」「Reduce」「Restore & Regenerate」「Transform」の4領域を対象にした同社フレームワーク「ARRRT」に基づき、アクションを進める。
Avoidでは、同社と間接サプライチェーンでの生物多様性や環境保全へのネガティブインパクトの回避を継続。
Reduceでは、原料調達での生物多様性へのインパクト削減や、2025年までに主要原料のトレーサビリティ確保や認証取得、リサイクル等を行う。
Restore & Regenerateでは、米リジェネラティブ農業推進NGOのSavory Instituteやカシミア持続可能な活用推進イニシアチブ「Sustainable Fibre Alliance(SFA)」と協働し、同社バリューチェーン上の生態系を保全。
Transformでは、事業活動において気候変動・生物多様性・海洋保護の3つの分野でアクションを起こす共同誓約「ファッション協定(Fashion Pact)」や、国連ファッション業界気候行動憲章と協働。同社バリューチェーン上の脆弱な生態系の保護を加速する。
同社は2021年、英生物多様性コンサルティングThe Biodiversity Consultancyと協働し、生態系へのインパクトアセスメントを実施。皮革、カシミヤ、ウールが最も生態系インパクトが大きく、バーバリーのカーボンフットプリントの多くを占めていることが明らかになった。
また同社は、The Biodiversity Consultancyと協働し、自然を軸としたソリューション(NbS)原則も策定。バーバリー・リジェネレーション基金を通じた生態系保全プロジェクトへ適用する。
同社はその他、国際的な官民連携型の熱帯雨林保護イニシアチブ「Lowering Emissions by Accelerating Forest Finance (LEAF)」にもラグジュアリーブランドとして初めて加盟。自派のバリューチェーン以外でも、世界の皮革サプライチェーン上の牧草地の再生支援等を行っている。
【参照ページ】BURBERRY BUILDS ON CLIMATE POSITIVE COMMITMENT WITH BIODIVERSITY STRATEGY TO PROTECT, RESTORE AND REGENERATE NATURE
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