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【ヨーロッパ】SDGsの企業実践では中間管理職が大きな課題。CSRヨーロッパ報告書

 欧州CSRコンサルティング企業のCSRヨーロッパは5月22日、企業の社会的インパクトと価値創造を目指すイベント「欧州ビジネスサミット(EBS)」をベルギー・ブリュッセルを開催。その場で、SDGsの企業での取組に関する新たな調査報告書「The Sustainable Development Goals(SDGs): The Value for Europe」を発表した。イベントには、企業、政府、NGOなどから300人以上が集まり、国連持続可能な開発目標(SDGs)とヨーロッパにおけるSDGsの意義を議論した。

 同報告書は、CSRヨーロッパの依頼のもと、企業戦略コンサルタントのフロスト&サリバンがSDGsがもたらす企業のビジネスチャンスの整理を担当。GlobeScanが欧州の企業責任者160人に対して実施したSDGsに関する取組についてのアンケート結果をまとめた。SDGsの達成には、既存のビジネスの延長ではなく、企業内または企業間、さらには多様なステークホルダー間での緊密なコラボレーションが必要だと総括した。

 アンケートからは、SDGsの達成には民間部門と公共部門が協調することが不可欠となるが、企業内でのSDGsの理解は企業の経営層やサステナビリティ部門のみに留まっており、中間管理職の間でSDGsの認識がまだまだ低いことが浮き彫りとなった。理解が浸透を妨げる要因としては、ステークホルダーが企業にアクションを求める働きが不足していること、企業がSDGsが企業の本業に与える影響を十分に理解できていないこと、SDGsが複雑であること、企業がSDGsにコミットさせる政府のコミットメントや支援が十分でないことなどが挙げられた。一方で、企業経営者の中にはSDGsに対する関心が広がりつつもあり、政府や他の関係者はこの好機を活かして、企業に対しSDGsに向けたアクションの積極化を図るよう促した。

 またアンケートでは、企業がSDGsをどう活用しようとしているかについても見解を尋ね、「自社の企業価値やサステナビリティ戦略と一致しているものであるため」と回答する企業が最も多かった。次いで、新たなビジネス機会、マルチステークホルダー・パートナーシップの改善、リスクマネジメントの順で多かった。SDGsはビジネスと関係ないと回答した企業は非常に少なかった。

 同報告書は、SDGsの達成に向けた協働を推進していくための手法として、知恵をつけていくための学習ネットワークの構築と、SDGsのテーマで様々なプレーヤーとの協働を主導する専門部門「SDGsインキュベーター」の創設を挙げている。また、企業が今すぐに実施すべきこととして、担当役員の任命、自社へのインパクトが大きいSDGs課題に対する目標設定と進捗状況の共有、業界を成長させるSDGs課題の特定、各国の主要政策や規制内容のチェック、SDGs達成度合いと役員報酬・中間管理職給与の連動の5つを紹介した。

【参照ページ】CSR Europe Study Reveals Economic Potential of the Sustainable Development Goals for Europe and Imperatives to Meet the UN 2030 Agenda
【報告書】The Sustainable Development Goals (SDGs): The Value for Europe

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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