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【EU】EU理事会と欧州議会、EU-ETSに海運セクター追加や割当量削減加速で政治的合意

 EU上院の役割を担うEU加盟国閣僚級のEU理事会とEU下院の役割を担う欧州議会は12月18日、発電・熱、重工業、航空等のEUの二酸化炭素排出量取引制度(EU-ETS)対象セクターで、二酸化炭素排出量を2030年までに2005年比62%の排出削減を法定化する案で政治的合意に達した。現行法の43%減から大幅引き上げることに加え、EU理事会が6月に示していた61%減の目標から1ポイント引き上げた。今後、EU理事会と欧州議会で関連法の立法手続きに入る。

【参考】【EU】EU理事会、新車販売2035年ゼロエミッション化で妥結。Fit for 55パッケージ(2022年6月30日)

 EU理事会と欧州議会は、国内海運、建設・不動産、農業、廃棄物、小規模産業部門等のEU-ETS対象外セクターで、2030年までの削減目標を現状の2005年比19%減から同40%減に引き上げる案についてはすでに11月に政治的合意を発表済み。今回の発表は、残課題となっていたEU-ETS対象セクターでの削減目標や規制強化での合意に関するもの。

【参考】【EU】EU理事会と欧州議会、海運・農業・不動産等でCO2の2030年40%減で合意。大幅引上げ(2022年11月10日)

 今回の両者は、EU-ETS対象セクターでの各企業への排出割当量の毎年の減少幅を、現行制度の年間2.2%から、2024年から2027年までは4.3%、2028年からは4.4%に引き上げることで合意。市場から排出量を買いオペする「市場安定準備金」も強化する。加えて、対象セクターでは2026年から2034年の間に炭素国境調整メカニズム(CBAM)を段階的に導入し、特定の企業に対する年間の無償割当量も段階的に廃止する計画でも合意した。

 さらに欧州委員会の原案通り、EU-ETSに国際海運セクターを対象とすることでも合意。実現すると海運セクターを排出量取引市場の対象とする世界初の地域となる。また、陸上交通・輸送セクターでは、燃料供給事業者に対し別の排出量取引制度を新設することでも合意。導入時期は、欧州委員会が2027年を提案し、EU理事会は2028年へと1年遅らせる方針を示していたが、今回再び2027年で妥結した。陸上交通・輸送セクターの削減ペースでは、2050年カーボンニュートラルとの整合性は確保できていないが、まず大きな削減幅が期待できるところから始める道筋ができたと意義を語った。

 公正な移行を実現するための「社会気候基金(SCF)」の設立でも合意。住宅断熱材、ヒートポンプ、太陽光発電パネル、電気自動車(EV)等への投資で、脆弱な市民や零細企業を支援するために、加盟国に対する専用の資金援助制度を設ける。また、各加盟国が新たに策定する社会気候計画に関し、37.5%を上限とする直接所得支援制度も許容する。同制度は、運輸および建築用燃料の新ETSの発効前となる2026年に運用を開始し、EU予算からの650億ユーロと加盟国による25%の共同資金拠出を財源とする予定。

【参考】【EU】欧州議会、ETS規制強化と国境調整税の対象品目拡大を決議。EU理事会との交渉へ(2022年6月24日)
【参考】【EU】欧州議会、欧州委のFit for 55で規制内容のさらなる強化要請。国境炭素税の前倒しも(2022年6月11日)
【参考】【EU】欧州委、ジャストトランジションに向け政策ガイダンス発表。EU理事会で最終議論(2021年12月25日)

 他にも、イノベーション基金と近代化基金の規模拡大や、イノベーション基金の対象セクターに海運セクターを追加することでも合意した。

【参照ページ】European Green Deal: EU agrees to strengthen and expand emissions trading, and creates a Social Climate Fund to help people in the transition

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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