【アメリカ】政府、中国電信の米国での事業停止を命令。国家安全保障上の懸念

　米連邦通信委員会（FCC）は10月26日 中国電信（チャイナ・テレコム）の米国子会社が、米国内で州際および国際通信サービスをことを禁止する命令を発表した。国家安全保障の観点から、公共の利益を損ねると判断した。60日以内に米国での事業が停止となる。

　FCCは、電気通信法214条に基づき、2020年12月に調査を開始。その中で、同社は、懸念を払拭するに足る十分な証拠を示せなかったという。今後、同社の契約者に対し、電話会社の乗り換えを支援するガイドも発行する。

　今回の命令では、同社の事業が、中国政府による搾取、影響、支配の対象となっており、独立した司法監督を受ける十分な法的手続なしに、中国政府の要求に応じることを余儀なくされる可能性が高い状態にあると判定。さらに、米中の国家安全保障が悪化していることも理由として挙げた。さらに、同社は、誠実さ、信用、信頼の面でも欠如しており、米国でのサービス提供の前提が欠けているとも酷評した。

　今回の発表によると、同社が、米国連邦政府機関との間で2007年に締結した「保証文書」の5つの条項にうち2つに故意に違反していることも認めた模様。これ以上の打開策も見いだせないとした。

【参照ページ】FCC REVOKES AND TERMINATES CHINA TELECOM AMERICA’S AUTHORITY TO PROVIDE TELECOM SERVICES IN AMERICA

株式会社ニューラル サステナビリティ研究所