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【国際】WRIと北京交通発展研究院、低排出ゾーンと渋滞税制度に関する研究報告書を発表

 国際環境NGO世界資源研究所(WRI)は3月29日、北京市政府管轄の北京交通発展研究院(Beijing Transport Institute)と共同で、世界主要都市の低排出ゾーン(LEZ)と渋滞税制度(CC)に関する研究報告書「低排出ゾーンと渋滞税の国際慣行調査(Study on International Practices for Low Emission Zone and Congestion Charging)」を発表した。目下、中国では都市部の交通渋滞が深刻化しており、渋滞緩和や大気汚染対策が重要な政策課題となっている。報告書では、世界の動向をまとめた上で、中国政府に対する提案をまとめた。

 低排出ゾーン(LEZ)とは、大気汚染物質を高濃度に排出する車両の進入を制限する区域を設定する制度。また渋滞税(CC)は、一定時間内に特定地域に侵入する際に事前に税金を納付することを義務化する制度。同報告書の中では、ロンドン、シンガポール、ストックホルムで導入されている低排出ゾーンと渋滞税制度の事例を研究。政策の準備段階、計画、導入テクノロジー、広報、監視・取締、効果、政策評価を包括的に分析している。中国では、北京、杭州、蘇州などで深刻な渋滞が発生しており、今回の研究は特に北京交通局の依頼のもとで行われた。

 報告書調査では、ペーパーリサーチや実地観察だけでなく、ロンドン、シンガポール、ストックホルムの専門家へのインタビューも用いられた。質問事項には、興味深い切り口が設定された。

  • LEX/CC政策の導入における主な課題とは何か
  • ステークホルダーが表明した主な懸念事項とは何か
  • LEZ/CC制度を補うための補完策は施されたか
  • 広報を通して、市民の理解はどのように向上できたか
  • LEZ/CC制度の監視技術を選ぶに当たって、考慮すべき点は何か
  • LEZ/CC制度の導入による効果は何か

 また、中国の中央政府と地方政府に対する政策提言として、

  • 中央政府は、国家交通戦略と地方のLEZ/CC制度の目的を明確でかつ一貫性のあるものにすべき。また、自治体レベルでの政策実行を促進するための立法、規制及び政策の確立すべき
  • 地方政府は、LEZ/CC制度を導入する前に、明確で確固たる目的を設定すべき
  • 地方政府は、渋滞税額や政策目標など詳細な導入手法を包括的に検討すべき
  • 地方政府は、当制度からの収入を交通機関の改善に当てるべき。そのための収入配分プロセスを透明化すべき
  • 地方政府は、現地の状況に適切なで実証済の技術を用いるべき
  • 地方政府は、効率的かつ市民の意見を反映するとともに、市民の政策理解を向上させる広報戦略を採るべき
  • 地方政府は、導入前に代替路など必要な補完策を整備すべき

 とまとめた。

【参考ページ】Study on International Practices for Low Emission Zone and Congestion Charging
【報告書】Study on International Practices for Low Emission Zone and Congestion Charging

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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