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【国際】RepRisk「世界で最も物議を醸した企業2016年」発表。賄賂やマネーロンダリング関与が多数

 ESGリスクに関する情報提供大手のRepRiskは1月25日、2016年度版「世界で最も物議を醸した企業(Most Controversial Companies)報告書」を発表した。同報告書は2008年から毎年発表されており、今年が9回目。同報告書は、上場・非上場含む世界の主要企業80,000社と20,000件のプロジェクトの情報を網羅した同社の「ESGリスクプラットフォーム」に基づいて、リスク値を計測している。このプラットフォームには、メディア、オンラインメディア、ソーシャルメディア、第三者団体等から発行された報告書、ステークホルダー、NGO、政府機関、規制機関、シンクタンク、ニュースレター等の公開情報を15言語で毎日収集している。今回リストアップされた10社の内8社は、汚職や詐欺等のガバナンス問題を起こしており、環境問題や社会問題のみによって選ばれたのは2社だけだった。

 リスクはゼロ(リスクが最も低い)から100(リスクが最も高い)で得点付けされ、特に75から100の値はリスクが非常に高い。

ランキング企業名リスク値業界
11MBD97マレーシア開発金融
2モサック・フォンセカ89パナマ法律事務所
3Samarco Mineração83ブラジル資源採掘
4江蘇常隆化工81中国化学
5大宇造船海洋80韓国造船
5ウナオイル80モナコ石油ガス
7リサール商業銀行79フィリピン金融
8ロッテグループ78韓国複合体
9フォルクスワーゲン76ドイツ製造業
10オデブレヒト74ブラジル建設

 1位の1MDBは、マレーシア国営の総合開発会社だが、同社が他の政治家や富豪のマネーロンダリング経路になっているとして、汚職、贈収賄、強要、マネーロンダリング、詐欺等のニュースがマレーシア本国だけでなく、米国、シンガポールでも大きな話題になっている。2位のモサック・フォンセカは、「パナマ文書事件」の渦中の法律事務所で、違法取引、ダミー会社設立、闇金融、税回避等で知られる。3位のSamarco Mineraçãoは、2015年の2カ所のダム決壊事故により鉄鉱山が破壊され、地域や住民、エコシステムに甚大な被害を及ぼした。2016年も廃棄物処理等の事後対処の杜撰さが指摘されている。4位の江蘇常隆化工は、化学物質による汚染、廃棄物処理等の問題。5位の大宇造船海洋は、詐欺、汚職、贈収賄、強要、反競争的行為(独占禁止法違反)等が明らかになっている。6位のウナオイルは汚職、贈収賄、強要、マネーロンダリング等。7位のリサールも汚職、贈収賄、強要、マネーロンダリング等が指摘。8位のロッテグループは汚職、贈収賄等とともに、ロッテマートが殺菌剤を製造、販売した加湿器用の殺菌剤により多数が死傷した事件が話題となった。9位フォルクスワーゲンは排ガス不正問題。10位のオデブレヒトは、汚職、贈収賄、強要、マネーロンダリング、詐欺、独占禁止法違反等が指摘されている。

 分析の中で特定されているESGリスクは、国際基準に基づく45のトピック群のうち、ホットトピックを28個選択。事件が発生する度に、目新しさ、関連性、重大さの分析が行われ、同社のアナリストが「ESGリスクプラットフォーム」に概要を入力するとともに対応トピックとリンクさせる。同一の事件は、より影響の大きい事件への拡大、重大な事件へのつながり、あるいは過去6週間に報道されなかった場合を除いて、二度入力されることはない。

 「ESGリスクプラットフォーム」は、企業のサプライチェーンのリスク管理、取引先のリスク管理、与信管理、投資管理などに活用されている。

【報告書】Most Controversial Companies 2016

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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