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【国際】Project MainStream、循環型経済の実現に向けて3つのプログラムを開始

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2014年の世界経済フォーラムで発足した循環型経済を推進するグローバルイニシアチブ、Project MainStreamが、新たに3つのプログラムを開始すると発表した。

同イニシアチブは各業界のリーダーらが参加する業界横断型のプロジェクトで、ナレッジ・パートナーとしてEllen MacArthur FoundationおよびMcKinsey&Companyが協力して活動している。イニシアチブの目的は、マテリアル・マネジメント、IT、ビジネスモデルのイノベーションを通じて循環型経済の拡大を実現することだ。イニシアチブにはBrambles、Brightstar、BT、Desso、Royal DSM、Ecolab、Indorama Ventures、Kingfisher、Royal Philips、Suez Environnement、VeollaのCEOが参画しており、今後はさらにグローバルNGOや財団などとも協働していく予定だ。

Project MainStreamは1月23日、プロジェクトの第一段階における取り組みとして新たに下記3つの領域に関するプログラムを発表した。30以上のグローバル企業と協働しながら経済全体のマテリアルフローの再設計に取り組んでいく。

  1. プラスチック包装
  2. 紙・ボール紙
  3. 資源のトラッキング

1. プラスチック包装

現状ではほとんど全てのプラスチック・パッケージが天然原料から製造されており、しかも一度しか使用されることがない。この問題を解決するためには、先進企業と行政がプラスチックの再利用とリサイクルをベースとしたより効率的なソリューションへと20年間で移行することを目指して、グローバルにおける信頼性の高いプラスチック・パッケージ・ロードマップを作成する必要がある。

Project MainStreamによれば、プラスチックボトルやアパレル産業で使用されているPETやポリエステルへの需要は年間5400万トンに達しており、そのうち約86%が循環システムから漏れてしまっているが、プログラムの取り組みが順調に進めば、PET単体の利用方法を改善するだけでも40億USドルの価値を生み出すことができると推定しているとのことだ。

2. 紙とボール紙

紙は既にグローバル全体で65%という比較的高いリサイクル率を誇っているが、製品・包装の設計プロセスにおいて加えられている多くの添加物が完全な循環の妨げとなっている。このプログラムは、世界中の政策立案者のベンチマークとなるような、化学添加物とインク使用に焦点を絞ったシンプルな一連の設計ルールを定めることを目指している。

Project MainStreamによると、紙とボール紙の年間総生産量は2020年におよそ4億8000万トンに達する見込みだが、このうち約1億3000万は循環型システムから漏れてしまっており、その経済価値は約100億USドルに相当するという。

3. 資源のトラッキング

現状、インダストリアル・インターネットとIoT(Internet of Things:モノのインターネット)による製品寿命と価値拡大に向けた貢献はまだ始まったばかりだが、これらのトラッキングプログラムは、テクノロジーの選択、消費者のインセンティブ、製品使用後の処理方法に関するユーザーのよりよい意思決定を妨げている情報格差を解消するための情報共有アーキテクチャなどを含む、幅広いデザインとツールキットの開発を目標としている。

プログラムの当初は家電と医療機器に焦点が置かれるとのことだ。世界では毎年およそ3900億USドルの家電や家庭用機器が寿命に達する。資産のトラッキングは、より多くの再利用、再製造とリサイクルを通じ、毎年およそ520億USドルの潜在価値を生み出すことができるとしている。

Project MainStreamの主導のもと、循環型経済の実現に向けて最新のITテクノロジーなども活用しながらどのようなイノベーションが生まれるのか、今後の取り組みに注目が集まる。

【参考サイト】Project MainStream launches three new programmes
【参考サイト】World Economic Forum "Circular Economy"
【団体サイト】Ellen MacArthur Foundation

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