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【国際】世界銀行、貧困撲滅に向けた戦略を公表。AIIBの設立を歓迎 2015/05/07 ESG

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 世界銀行のジム・ヨン・キム総裁は4月7日、2030年までに極度の貧困を根絶する包括的な方針を発表し、中国が主導して設立準備を進めているAsian Infrastructure Investment Bank(アジアインフラ投資銀行、以下AIIB)やBRICs諸国の運営するNew Development Bank(新開発銀行、以下NDB)などの新興銀行と共に、新興市場の経済成長に向けて連携することに肯定的な姿勢を示した。

 キム氏は「もしAIIBやNDBなどを含む世界の多国間銀行ら提携、協働し、開発を支援することができれば、我々全員が、そしてとりわけ最も脆弱な貧困層の人々が大きな恩恵を受ける。これらの新興銀行が、最貧層の人々を救うための経済成長を支援するという共通の使命のもと、世界の多国間銀行や民間パートナーとの提携に加わることは、我々の望みであり、期待でもある」と語った。

 世界銀行によれば、現在世界は全体で年間さらに1~1.5兆ドルのインフラ投資を要しており、2030年までに現在と比較してエネルギー需要は4割増加、水の供給量は需要量を40%も下回る見通だという。この逼迫した状況を打開するために、AIIBやNDBなどの新興銀行が現在融資不足に直面しているインフラ、エネルギー、水といった分野に積極的に資金を供給していくことが期待されている。

 また、キム氏は極度の貧困の根絶に向けた戦略として、「成長」「投資」「保障」という3つのキーワードを掲げている。

  • 成長:世界経済はより早く、より持続可能な形で成長を必要としており、莫大な富が貧困層にも確実に届くような形で成長する必要がある。
  • 投資:特に教育と健康を通じた人々への投資が重要。
  • 保障:政府は天然災害や伝染病に強いシステムを構築するだけではなく、社会のセーフティネットを提供する必要がある。

 さらに、同氏はこの3つの戦略を実践するための優先事項として、エネルギー、灌漑、市場へのアクセスを提供するインフラの整備、農業の生産性向上、女性と子どもの教育・健康への投資、社会のセーフティネットの設置を挙げている。

 2050年までに世界人口が90億人を突破すると見込まれている中、インフラへの投資は貧困を撲滅し、安定した社会を構築する上で必要不可欠な要素の一つだ。AIIBやNDBなど新興の開発銀行らが協働し、世界のサステナビリティ向上に受けて大きな成果を上げていくことを期待したい。

【参照リリース】World Bank President Outlines Strategy to End Poverty, Welcomes New Development Partners
【機関サイト】World Bank

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