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【国際】機関投資家ら、SECに対して化石燃料関連企業の気候変動リスク情報開示の強化を要求 2015/05/15 ESG

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 世界の機関投資家らの動きが活発化している。彼らがBPの次に働きかけたのは、米国証券取引委員会(以下、SEC)だ。サステナビリティ分野のアドボカシーNGOのセリーズは4月17日、運用資産2兆米ドルに相当する62の機関投資家らは連合でSECに対し、大手石油・ガス会社らに対して気候変動リスクに関する情報開示を強化するよう求める要望書を提出したと発表した。

 セリーズによってまとめられた7ページに渡る要望書の中で、機関投資家らは石油・ガス企業は温室効果ガス削減規制、再生可能エネルギーの拡大、石油需要の低下など気候変動により直面する様々なカーボン・アセット・リスクを抱えているが、それらは財務情報の中で十分に開示されていないと指摘している。

 これらの気候変動を巡るトレンドの中で投資家らが特に懸念しているのは、北極圏における石油採掘や深水での採掘、カナダにおけるオイルサンドプロジェクトなど、高コストでエネルギーあたりの炭素排出量が多いプロジェクトへの投資だ。

 投資家らは要望書の中で「石油需要の減少や非経済的なプロジェクト、座礁資産に関わるリスクは企業と投資家にとって重要だ。なぜなら、そのリスクは直接的に利益や企業価値に影響を及ぼすからだ」と述べ、SEC委員長のMary Jo White氏に対して情報開示規制の強化を求めている。

 Ceres の代表を務めるMindy Lubber氏は「他の業界と同様の情報開示基準を石油・ガス業界に対して設けていなかったことで、SECは石油・ガス業界が本当のリスクを隠すこと許容し、我々が本当に必要としている低炭素プロジェクトへ投資資金を還流させることを妨げてきた。世界は気候変動による最悪の結果を防ぐための炭素汚染の抑制に年間1兆米ドルもの追加資金を必要としていることを考えれば、これは不幸なことだ」と語った。

 同要望書に署名している機関投資家の中には、カルパースやカルバート・インベストメント、ロックフェラー・ブラザーズ・ファンドなど、米国や欧州の主要な公的年金基金、資産運用会社らが含まれている。また、同日ニューヨーク州およびニューヨーク市もSECに対して同様の要望書を提出している。

 化石燃料企業に対する機関投資家からの圧力は様々な形で高まり続けている。年金基金をはじめ長期運用を前提とする機関投資家らにとって、気候変動リスクは直接的に長期的な投資リターンの損失につながる可能性を秘めているからだ。要望書の詳細は下記からダウンロード可能。興味がある方はぜひ読んでいただきたい。

【要望書ダウンロード】Re: Inadequate Carbon Asset Risk Disclosure by Oil and Gas Companies
【リリース原文】Investors Push SEC to Require Stronger Climate Risk Disclosure by Fossil Fuel Companies
【企業サイト】Ceres

株式会社QUICK ESG研究所

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