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【セミナー参加報告】ESG関係者がロンドンに大集合 RIヨーロッパ2015 2015/06/05 ESGコラム

RI europe seminar

1. ESGの最新動向で活発な議論

 ロンドンを拠点としてESG投資に関する情報を発信するレスポンシブル・インベスター(以下、RI)が、6月2日と3日の2日間にわたって「RIヨーロッパ2015」を開催した。RIが年に1回主催するESGのイベントで、世界遺産であるロンドン塔近くのホテルの会場には欧州だけでなく世界各国から500名近い関係者が詰めかけた。会場ではESGの最新動向について活発な情報交換が繰り広げられた。

2. 関心高まり参加者は年々増加

 RI関係者によると、「ESG投資に対する関心が年々高まっていることを反映して、年々イベントに参加する人数が増えている」という。同社は昨年に続いて4月に東京証券取引所で「RIアジア2015」を開催した。両方のイベントに参加した高崎経済大学の水口剛教授は、「ロンドンはESG投資に積極的な欧州の市場関係者が集まりやすいだけに、最新動向に関してより積極的な情報交換がされているようだ」と話していた。会場にはESG投資に積極的な運用会社や、ESGの観点から企業を評価する会社などが多くのブースを出展しているため、移動するのも一苦労だ。

3. 頻繁に聞く「Japan」の声

 1日目の午前中と2日目の午後は市場関係者や政治家らが基調講演やパネルディスカッションを繰り広げる。今年はスウェーデンのペール・ボルンド金融市場相が登壇し、「持続的な発展のために地球規模で二酸化炭素の排出量を削減する必要がある」と訴えた。またオーストラリアの自由党のジョン・ヒューソン元党首やトニー・ブレア元英国首相の夫人であるシェリー・ブレア氏が講演し、多くの聴衆が耳を傾けた。
 参加者の関心が多岐に渡るため、初日の午後から2日目の午前中は会場を3つに分割してパネルディスカッションが断続的に開かれた。債券や株式など資産ごとにESGの観点から問題点を指摘したほか、「ESGとビッグデータ」や「グリーンボンド」などといったテーマで合計24の分科会が開かれた。
 会場では「Japan」という言葉を頻繁に耳にした。タイミングよく6月から日本で企業の行動規範となるコーポレートガバナンス・コードが適用されたためだ。昨年に導入された機関投資家の行動原則「日本版スチュワードシップ・コード」と合わせ、日本でESG投資の認識が広がることに期待を寄せる声が多かった。

4. 優秀な運用報告を表彰

 イベント初日の昼には「RIリポーティングアワード」の表彰式があった。社会的責任投資やESGに関する運用報告書で優秀だったと評価された年金やファンドに贈られる。大型ファンド部門ではフランスのフランス預金供託公庫、中小型ファンド部門ではスウェーデンのスウェドファンド・インターナショナルが受賞した。英語で運用報告書を公表しているなど各種の条件をもとに選ばれる。日本の年金やファンドが受賞するにはハードルが高いかもしれないが、いつの日か日本勢が受賞することを期待したい。

QUICK ESG研究所 渡邉晃(ロンドン支店) 

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