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【国際】WWF、ASEAN金融機関のESG投資動向に関するレポートを公表 2015/06/05 ESG

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 世界自然保護基金(World Wildlife Fund、以下WWF)は5月13日、”Sustainable finance in Singapore, Indonesia and Malaysia: a Review of Financiers’ ESG Practices, Disclosure Standards and Regulations“と題した、東南アジア諸国連合(以下、ASEAN)諸国の金融機関を対象としたESG投資動向に関するレポートを公表した。

 同レポートによると、ASEAN諸国の金融機関はESG基準の導入において世界の同業他社から大幅な遅れを取っているという。さらに銀行の融資ガイドラインや企業の情報開示にESGの要素を織り込むことを求める金融規制がブラジル、中国、香港、南アフリカといった国に比べて極めて不整備であることが指摘されている。

 今回のレポートは、ASEAN諸国の主要金融機関による開示情報に基づいて作成されたもので、同諸国の資本提供者が投資・貸出業務においてどの程度サステナビリティに考慮しているかを評価し、資本提供者に対して長期的な利益のためにESG基準を導入するよう強く呼びかけている。また、ASEAN諸国の規制当局に対して、サステナビリティの視点を反映した融資ガイドラインおよび企業の情報開示基準の整備を進めることを求めている。

 WWFでアジアの金融・商品スペシャリストを務め、今回のレポートを共著したJeanne Stampe氏によると、「社会・環境問題が経済成長と社会の安定性を脅かしているという証拠は十分に集まっており、グローバルな銀行・機関投資家は投資・貸出の過程においてこうした問題に対応しはじめている他、国際的にもその動きを後押しする規制的枠組が設けられてきた。今後は、東南アジアの金融機関と規制当局がそれぞれの役割をこなしていくことが期待される」と語った。

 ESG基準の導入により、銀行は信用リスク管理の強化や新たな金融商品の開発につなげることができ、投資家は運用利益の確保につなげることができる。しかし現状では、分析された18銀行のうち、「信用リスク管理のプロセスにESGを反映している」と公表しているのはわずか4行で、森林に関する方針を公開しているのはたった1行だ。

 世界の金融機関がESGの考慮を積極的に進める中、ASEAN諸国の取り組みが著しく後れていることが浮彫となった今回のレポート。世界の流れに追いつくためには、官民一体となりつつも規制強化をはじめとするトップダウンでの推進が不可欠といえるだろう。

【レポートダウンロード】Sustainable finance in Singapore, Indonesia and Malaysia: a Review of Financiers’ ESG Practices, Disclosure Standards and Regulations
【参照リリース】WWF: ASEAN regional banks and investors behind on Environmental, Social and Governance standards
【団体サイト】WWF

株式会社QUICK ESG研究所

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