Sustainable Japan QUICK ESG研究所

【ノルウェー】ノルウェー政府年金基金、石炭火力関連投資80億米ドル分を全て売却へ 2015/06/19 ESG

shutterstock_128720780

 ノルウェー議会は6月5日、ノルウェーの公的年金基金、Government Pension Fund Global(以下、GPFG)が石炭関連の株式を全て売却することを正式に承認した。GPFGは9000億米ドルを運用する世界最大の政府系投資ファンドで、今回の決定に伴う売却株の総額は80億米ドル以上に及ぶ。石炭への投資は気候変動、資産運用の双方の観点からリスクが高いと判断された。

 売却対象となるのは事業の30%以上において石炭採掘・石炭火力に関わっている企業の株式で、全世界で122社が該当する。売却は2016年1月から開始予定とのことだ。最も影響を受けるのは英エネルギー大手のSSEで、約10億米ドル近い株式が売却される見込みだ。なお、アングロ・アメリカンやBHPビリトンといった大手石炭採掘会社のいくつかは、世界における石炭採掘事業の比率が30%以下のため、今回の資金引揚げ対象からは外れている。

 現在世界では、年金基金をはじめとする機関投資家やバンク・オブ・アメリカ、アクサ、クレディ・アグリコルなど大手金融機関を中心に化石燃料関連投資からの資金引揚げが一大ムーブメントとなっているが、今回のGPFGの投資資金引揚げはその中でも過去最大規模となり、大きな影響が予想される。

 一方で、ノルウェーは石炭以外の化石燃料については欧州最大の採掘国でもあり、その点については厳しい見方もある。GPFGの資金は過去40年以上に渡る北海の石油・ガスの採掘から得られたものであり、資金引揚げを石炭だけに限定するのは偽善的ではないかというのがその理由だ。

 いずれにせよ、今年の12月にパリで開催予定のCOP21を前に、ノルウェーが気候変動対策において大きなリーダーシップを示したことは間違いない。一方で、ノルウェーのGPEGにあたる日本のGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)は、環境や社会、ガバナンスなどの非財務情報を考慮するESG投資についての検討をはじめたところだ。今回のGPEGの意思決定なども参考に日本でもどのような議論が進んでいくのか、今後の展開に期待したい。

【関連リリース】The Government Pension Fund Global – Investments in coal companies
【政府サイト】The Government Pension Fund – Regjeringen.no

株式会社QUICK ESG研究所

Facebookコメント (0)

ページ上部へ戻る