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【国際】機関投資家の70%がESGリスクの高い投資を拒絶。PwC調査。 2015/06/26 ESG

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 グローバルコンサルティングファームのPwCは5月27日、プライベートエクイティ投資に関わる機関投資家の責任投資に対するスタンスについて分析した報告書”Bridging the Gap“を公表した。同報告書によると、世界の機関投資家の70%がESGリスクの高いプライベートエクイティの資金調達への参加や共同投資を断ると回答したという。

 同調査はプライベートエクイティ投資を行っている有限責任組合(以下、LPs)らのESG投資に対する考え方をまとめたもので、回答者にはCalSTRS(米カリフォルニア州教員退職制度)やUSS(英国の大学退職年金基金)、スウェーデン年金基金など主要な資産運用会社や年金ファンドも含まれる。

 調査によると、回答者の97%は今後20年間で責任投資の重要性は高まると考えており、責任投資を行う最大の理由として信託義務、評判リスク、そして企業としての価値基準の3つを挙げている。また、ESGは社会とステークホルダーの双方に対する価値創出につながるという意見にはほとんどの投資家が同意する一方で、レピュテーション価値の定量化やリスク削減、それらを投資基準に組み込むことへの難しさが指摘されている。

 PwCによる調査の要点は下記の通り。

  • 回答者の88%はプライベートエクイティにおいて責任投資は財務価値を向上させると考えている
  • LPsの83%はESG要因のマネジメントは信託上の義務だと考えている
  • 回答者の71%は、ファンドの分配はESG条件の達成と結びついていたと回答
  • 回答者の83%はプライベートエクイティ投資に適用する責任投資方針を持っている
  • ESG情報開示フレームワークの導入はまだ進んでいるとは言い難く、31%がフレームワークを定期的に使用、14%が時々使用、47%が全く導入していないと回答
  • 回答者はESG報告を実行、対応するためのキャパシティに懸念を感じている

 PwCは、今回の調査結果は公的年金ファンドなどの大規模な機関投資家をターゲットとした近年の激しい議論と行動を反映しているとしている。最近では機関投資家に対して化石燃料やその他の環境に負の影響を与える可能性がある業界への投資引揚げを求める声が高まっているのだ。

 こうした状況を踏まえPwCのPhil Case氏は「金融危機以降、投資家はかつてないほどに彼らの環境や社会への影響、目的に対する厳しい視線にさらされるようになっている。責任ある振る舞い、財務リターン以上のものを提供してほしいという政策立案者、NGO、一般市民らから投資家への期待はかつてないほどに高まっており、その状態が続いている」と語る。

 今や、ESGの考慮は環境や社会への好影響のみならず、長期的な投資価値向上という観点からも重要だとの考え方が機関投資家の間でも主流となりつつある。機関投資家らのスタンスは企業の行動に対して大きな影響力を持つだけに、今後もESG投資がさらに投資の本流となることを期待したい。レポートは下記からダウンロード可能。

【レポートダウンロード】Bridging the Gap
【参照リリース】Seventy per cent of institutional investors turning down projects on environmental, social and governance grounds
【企業サイト】PwC

株式会社QUICK ESG研究所

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