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【アメリカ】機関投資家ら、大手食品企業らと共にRSPO認証の基準強化を要求 2015/07/06 ESG

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 合計約5兆米ドルの資産を運用する機関投資家らは6月15日、ケロッグやスターバックス、P&G、花王、ウォルマートなどの大手食品関連企業らと共に、持続可能なパーム油の国際認証のRSPO(Roundtable on Sustainable Palm Oil)に対して持続可能なパーム油認証の基準強化を求める要望書を提出した。パーム油は現在全ての包装食品の約50%に使用されていると推定されており、森林破壊の最たる原因ともなっている。

 要望書をまとめたのは米国の機関投資家Green Century Capital ManagementおよびNew York State Common Retirement Fundで、今回共に署名した大手食品企業らの株式を多く保有している。投資家および企業らは要望書の中で、現状のRSPO認証基準はサプライチェーンにおけるパーム油のサステナビリティを確保する上で不十分だと指摘しており、RSPOに対して認証パーム油の生産のための森林破壊や泥炭地開拓といった問題ある慣行を禁止するよう強く要求している。

 現在、パーム油産業の年間市場規模は440億米ドルと見られており、森林破壊の主たる要因となっている。EPAの調査によれば、このパーム油による森林破壊が世界の温室効果ガス排出の15~20%を占めているとのことだ。また、森林破壊の悪影響は温室効果ガスの排出にとどまらず、生物多様性の破壊や土壌汚染、土地の権利をめぐる地域社会の紛争にもつながっている。

 RSPOは持続可能なパーム油調達を推進するためのマルチステークホルダーによる国際イニシアチブだが、現状の認証基準には泥炭地や高炭素貯蔵林が対象に含まれておらず、認証基準の強化に対するプレッシャーは年々高まりつつある。最近ではRSPO認証以上の厳しい基準を自主的に掲げる企業も増えてきており、企業や投資家らはRSPO認証がパーム油の持続可能な調達に対してより実効性を持つ制度として機能するよう、基準の強化を求めているのだ。

 パーム油調達をめぐる問題の解決に向けて認証制度に対しても積極的に働きかけを行う機関投資家らの動きは、パーム油のサステナビリティは長期的に大きな投資リスクに関わるという認識が彼らの中でも高まりつつあることを示している。

【ダウンロード】要望書
【参照リリース】Investors, Major Brands Call for Stronger Standards from Palm Oil Certification Group
【企業サイト】Green Century Capital Management

株式会社QUICK ESG研究所

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