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【政府・レギュレーションの動向】第1回「経営者・投資家フォーラム」開催 2015/07/15 ESGコラム

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 経済産業省は、日本企業の経営トップと内外の機関投資家等が集い、中長期的な企業価値の向上や建設的な対話の促進、効果的な情報開示等に向けた課題や方策を検討する場として、新たに「経営者・投資家フォーラム」を設け、2015年6月10日、第1回会合を開催した。

 1.「経営者・投資家フォーラム」会合の概要

 経営者・投資家フォーラム(Management Investor Forum :MIF)(事務局 経済産業省経済産業政策局企業会計室)は、「日本再興戦略」改訂2014に基づき、企業の経営トップと内外の機関投資家等が、持続的成長や中長期的な企業価値創造に向けた課題や方策等について、議論を行うための場として設立された。この会合で得られた示唆を内外に発信し、企業および投資家等の意識や行動の変化が促されることを期待するというものである。

 第1回会合では、企業と長期投資家等が考える「企業価値創造」への認識とあるべき姿、双方が共に企業価値向上に向かうための建設的な対話やそのような対話を促進するための企業情報開示のあり方等について議論された。

 参加者は総勢28名で、その内訳は、東証1部上場企業の経営者12名、GPIFおよび企業年金連合会などのアセットオーナー3名(うち海外1名)、生保、損保および投資顧問会社等の機関投資家8名(うち海外3名)ならびに伊藤邦雄教授をはじめとする学識者等5名で、オブザーバーとして、金融庁企業開示課および法務省民事局が同席した。

 

2.「経営者・投資家フォーラム」設立の背景

 2014年6月24日に閣議決定された「日本再興戦略」改訂2014において、「持続的な企業価値の創造に向けた企業と投資家との対話の促進」が掲げられており、具体的な施策としては「企業と投資家との対話の促進の観点から、株主総会の開催日や基準日の設定等について国際的な状況を踏まえてその運用の在り方についての検討を行うとともに、産業関係団体等におけるガイドラインの検討を行う。 また、企業の投資家に対する情報開示等について、企業が一体的な開示をする上での実務上の対応等を検討するため、関係省庁や関係機関等をメンバーとする研究会を早急に立ち上げる。 これとともに、持続的な企業価値創造の観点から、企業と投資家の望ましい関係構築を促すための、中長期的情報の開示や統合的な報告の在り方、企業と投資家の建設的対話促進の方策等を検討するための産業界・投資家コミュニティ、関係機関から成るプラットフォーム作りを推進する。」を掲げている。

 また、2014年8月6日に公表された「「持続的成長への競争力とインセンティブ~企業と投資家の望ましい関係構築~」プロジェクト最終報告書(伊藤レポート)」においても、「持続的な企業価値創造の観点から、企業と投資家の望ましい関係構築に向けた、産業界と投資家、市場関係者や関係機関等から成る「プラットフォーム(経営者・投資家フォーラム(Management Investor Forum :MIF)(仮))」を創設すべきである。そこでは、中長期的な情報開示や統合的な報告の在り方、企業と投資家の建設的な対話促進の方策等をさらに深掘りし、実施に移すための継続的な協議が行われる。制度上・実務上の課題についても継続的に検討することが期待される。」との提言が行われている。

 以上のように、「日本再興戦略」改訂2014および「伊藤レポート」を踏まえて、産業界、投資家コミュニティおよび関係機関から成るプラットフォームとして、今般「経営者・投資家フォーラム」が創設されたのである。

 

3.その他の展開

 企業と投資家が、企業価値の向上に向けた対話や開示のあり方を検討、調査、提案する場として、2012年7月、経済産業省「企業報告ラボ」が設立。「伊藤レポート」を生み出した研究会である。

この活動の中から、新しい投資家団体「投資家フォーラム」が2015年6月8日に発足し、第1回会合が7月9日、QUICKにて開催された。

 この団体は、機関投資家に属する個人の資格で参加するものの、機関投資家が投資先企業との「目的を持った対話」その他のスチュワードシップ責任を適切に果たす実力を備えることを支援し、もって機関投資家と投資先企業との建設的な対話を実現し、企業の持続的成長に貢献することを目的とするものである。その目的を達成するため、今後、投資家フォーラム会合およびオープン・セッションなどの開催ならびに対外的な意見発信および提言等の活動を予定している。

 今後この「投資家フォーラム」に類似した団体が、複数設立されることも予想される。

 「経営者・投資家フォーラム」および「投資家フォーラム」等が設立される中、機関投資家全体がスチュワードシップ責任を果たすべく一層実力を高めて、企業の持続的成長および中長期的な企業価値創造に大いに貢献していくことを期待したい。

 

【関連サイト】投資家フォーラム-Forum of Investors Japan

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QUICK ESG研究所 菅原 晴樹

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