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【アメリカ】機関投資家ら、政府のメタン排出量削減計画を支持する声明を発表 2015/07/31 ESG

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 近年の石油・ガス業界からのメタン排出量増加を受け、米国政府が規制化に取り組む中、合計1.5兆ドルに上る資産を運用する主要な投資家らは7月2日、連邦が提案する基準を支持する声明を発表した。今年1月に発表された米国政府の規制案は、2025年までに石油・ガス業界からのメタン排出量を2012年の水準から45%削減するとしている。

 同声明はサステナビリティ分野のアドボカシーNPOのセリーズと、SRI(社会的責任投資)に特化した資産運用会社のトリリウム・アセット・マネジメントによって取りまとめられたものだ。セリーズは、計13兆ドル以上の資産を有する100以上の機関投資家ネットワーク、INCR(Investor Network on Climate Risk)などを統括している。

 声明文では、「石油・ガス業界の株式を保有する長期投資家として、業界の長期的な成長は我々にとって大いなる関心事項だ。メタンの排出が気候の安定を妨げる深刻な脅威となり、温暖化を加速させ、我々が投資している企業のみならず国家全体を衰弱させる経済的損害をもたらすことを危惧している」と述べられている。

 天然ガスの主要構成物質であるメタンの温室効果は、100年間で二酸化炭素の25倍にも達する。米環境保護局(以下、EPA)が4月に公表したデータによると、2013年の排出量は前年を3%上回り、環境への影響が懸念されている。

 トリリウム・アセット・マネジメントで副部長を務めるJonas D. Kron氏は「メタンの直接的な規制は、気候、エネルギー部門、経済のいずれに対してもプラスの効果をもたらすだろう。実証済みの技術を活用すれば、天然ガス1000立方フィート毎にかかる年間の平均コスト1セント未満で、メタン排出量を40%削減できることが証明されている。こうした技術の活用を、EPAは目標を達成する上で軸に置くべきだ」と語る。

 また、セリーズで石油・ガスプログラムの責任者を務めるAndrew Logan氏は、「メタン排出規制は、適切に設定されることが重要だ。EPAが一か月以内に公表予定のClean Power Planにより、電力供給者が天然ガスへのシフトをさらに加速させることになるだろう」と述べた。

 メタン漏出によって石油・ガス業界にかかるコストは毎年およそ20億ドル。漏出するメタンガスの収集・再利用は、石油・ガス業界自身にとっても大きなビジネスチャンスにつながる。今回の機関投資家らによる声明には、ニューヨーク州の会計監査官らも賛同の意を表明している。メタン排出量の削減は環境保護のみならず、米国全体に多大な経済効果をもたらすと考えられるからだ。同声明により、米国内での政府を中心としたメタン排出量削減への動きがさらに加速することが期待される。また、これによる経済効果が経済大国米国で証明されれば、世界各国の政策にも大きな影響を与えるだろう。

【声明ダウンロード】Investor Network on CLIMATE RISK
【米国政府による規制案】FACT SHEET: Administration Takes Steps Forward on Climate Action Plan by Announcing Actions to Cut Methane Emissions
【参照リリース】Investors Worth $1.5 Trillion Support White House’s Methane Emissions Reduction Plan
【団体サイト】Ceres
【企業サイト】Trillium Asset Management

株式会社QUICK ESG研究所

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