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【バングラデシュ】国際金融公社、バングラデシュの繊維産業の労働環境向上に向け5000万米ドルを融資へ 2015/08/05 ESG

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 世界銀行グループの国際金融公社(以下、IFC)は7月7日、バングラデシュの繊維産業における労働環境の安全性向上に向けて、同国の地元銀行らに5000万米ドルを融資するともに、バングラデシュにサプライヤーを抱えるグローバル企業らとパートナーシップを締結すると発表した。IFCがバングラデシュの銀行に長期の融資を行うのは今回が初めてとなる。

 現在バングラデシュの繊維産業は同国の輸出の80%を占めており、約4,500の工場で400万人もの人々が働いている。そしてそのほとんどは女性労働者だ。バイヤー企業らからの労働環境の安全性向上に対する強い要求にも関わらず、多くの工場では資金不足を理由にバイヤーの基準を満たす改善に取り組めていないのが現状だった。

 この状況を改善するべく、IFCは、Prime Bank Limitedをはじめとする地元の5銀行にそれぞれ1000万米ドルを融資し、各銀行に対して主に構造・電気・火災の3点(以下、SEF)のインフラの安全性向上に向けた繊維工場への融資を促していく。
 
 また、IFCは銀行への融資に加え、世界を代表するアパレルブランドらによる、バングラデシュの労働環境向上を推進するイニシアチブ、Alliance for Bangladesh Worker Safety(以下、Alliance)およびAccord on Fire Safety and Building Safety in Bangladesh(以下、Accord)ともパートナーシップを締結した。AllianceおよびAccordは今回のプログラム実施に向けてそれぞれ25万米ドルを寄付する予定で、工場らのSEFのアップグレードを支援するとともに、コンプライアンス監査を担う。

 IFCのCEO兼EVPのJin-Yong Cai氏は「繊維産業において労働環境の安全性を改善していくためには、広範で革新的なパートナーシップが必要不可欠だ。バングラデシュの繊維産業の競争力を高め、より持続可能なものするためには、地元の銀行、バイヤーであるグローバル企業、製造企業がこの問題に対して共通の意思を持つことは欠かせない」と語った。

 2013年4月に起こったラナ・プラザビル崩落事故以降、世界中のアパレル企業にとってバングラデシュの繊維産業における労働環境向上は共通かつ最重要のサステナビリティ課題となっている。しかし、工場の安全性を高めるためには、バイヤーからの要求や監査体制の強化だけではなく、実際にインフラを改善するための資金が重要となる。その意味で、今回のIFCによる融資が状況の改善に向けたドライバーとなることを期待したい。

【参照リリース】IFC Teams Up With Leading Banks, Buyers, to Improve Safety in Bangladesh Garment Factories
【機関サイト】IFC
【団体サイト】Alliance for Bangladesh Worker Safety
【団体サイト】Accord on Fire Safety and Building Safety in Bangladesh

株式会社QUICK ESG研究所

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