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【政府・レギュレーションの動向】「SSコード及びCGコードのフォローアップ会議」の設置について 2015/08/10 ESGコラム

follow-up-meeting

 2015年8月7日、金融庁と東京証券取引所は、スチュワードシップ・コードおよびコーポレートガバナンス・コードの普及・定着状況等を検証するため、共同で有識者会議を設けると発表した。9月にも初会合を開いて議論を開始する。
 2014年2月に策定されたスチュワードシップ・コードについては、2015年5月末までに受入れ表明した機関投資家は191機関となった。その業態別内訳では、信託銀行等7、投信・投資顧問等133、生保17、損保4 、年金基金等23 、その他(議決権行使助言会社他)7 である。さらに、年金基金等をみると公的年金等が15、企業年金基金が6、海外基金が2と、企業年金基金の受入れが極めて少ないのが今後の課題と思われる(1)。
 2015年6月に適用開始されたコーポレート・ガバナンスについては、改正規程(新様式)に基づく「コーポレート・ガバナンスに関する報告書」を開示している会社は、直近70社程度にとどまっている。さらに、報告書の内容をみると、形式的な記述に留まるものが多く、また、監査等委員会設置会社への移行が目立つ中、従来の社外監査役が社外取締役に横滑りしているケース、旧財閥系の企業グループから社外取締役を受け入れているケースなど、コードの精神が十分に生かされているとは言い難い会社が見受けられる。
スチュワードシップ・コードにおいて、「機関投資家による本コードの実施状況(受入れ・公表を含む)や国際的な議論の動向等も踏まえ、本コードの内容の更なる改善が図られていくことを期待する。このため、本検討会は、金融庁に対して、おおむね3年毎を目途として、本コードの定期的な見直しを検討するなど、適切な対応をとることを期待する。こうした見直しが定期的に行われることにより、機関投資家やその顧客・受益者にお いて、スチュワードシップ責任に対する認識が一層深まり、本コードが我が国において更に広く定着していく効果が期待できるものと考えられる。」とある。
また、コーポレートガバナンス・コードにおいては、「本コード(原案)は、実効的なコーポレートガバナンスの実現に資する主要な原則を取りまとめたものであるが、不変のものではない。目まぐるしく変化する経済・社会情勢の下で、本コード(原案)がその目的を果たし続けることを確保するため、本有識者会議は、本コード(原案)が定期的に見直しの検討に付されることを期待する。」と記述されている。
9月に初会合が予定されているこのフォローアップ会議で、両コードの普及・定着状況をフォローアップし、問題の抽出、そして、近い将来の両コードの見直しに向けての論点整理等、継続的な議論を展開することを期待したい。

1.趣旨

 「『日本再興戦略』改訂2015」(平成27年6月30日閣議決定)においては、「昨年2月に策定・公表された『スチュワードシップ・コード』及び本年6月に適用が開始された『コーポレートガバナンス・コード』が車の両輪となって、投資家側と会社側双方から企業の持続的な成長が促されるよう、積極的にその普及・定着を図る必要がある。」とされている。
 形だけでなく実効的にガバナンスを機能させるなど、コーポレートガバナンスの更なる充実は引き続き重要な課題であり、また、このような取組を、経済の好循環確立につなげていく必要がある。このため、スチュワードシップ・コード及びコーポレートガバナンス・コードの普及・定着状況をフォローアップするとともに、上場企業全体のコーポレートガバナンスの更なる充実に向けて、必要な施策を議論・提言することを目的として、「スチュワードシップ・コード及びコーポレートガバナンス・コードのフォローアップ会議」(以下、「会議」という。)を設置する。

2.構成

(1) 会議のメンバーは、企業経営者、内外投資家および研究者等の外部有識者とする。
(2) 会議の事務局は、金融庁総務企画局企業開示課および株式会社東京証券取引所上場部とする。
出所: 「スチュワードシップ・コード及びコーポレートガバナンス・コードのフォローアップ会議」の設置について

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執筆:QUICK ESG研究所 菅原 晴樹

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