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【機関投資家】3共済の平成26年度運用状況 その2~地方公務員共済組合連合会 2015/08/19 ESGコラム

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1.地方公務員共済組合連合会

 地方公務員共済組合制度は、地方公務員の相互救済を目的とし、地方公務員とその家族を対象に長期給付事業、短期給付事業および福祉事業を総合的に行う制度として1962年12月に発足した。地方公務員共済組合連合会(以下「PAL」という。)は、地方公務員共済組合法に基づき、1984年4月1日に地方公務員の年金制度の健全な運営を維持していくため、年金の財政単位を一元化し、年金財政基盤の安定化を図るとともに、共済組合の長期給付に係る業務の適正かつ円滑な運営を図ることを目的として組織し設立された。その後、1990年度から公立学校共済組合および警察共済組合が加入したことにより、すべての地方公務員共済組合(64組合および全国市町村職員共済組合連合会)をもって組織する連合体となった。主務大臣は総務大臣である。

 PALを組織する共済組合数および組合員数の状況(平成27年4月1日現在)は

①共済組合数 64組合

②組合員数 2,802千人

共済組合名 組合員数
地方職員共済組合(1組合) 306千人
公立学校共済組合(1組合) 943千人
警察共済組合(1組合) 294千人
東京都職員共済組合(1組合) 101千人
指定都市職員共済組合(10組合) 167千人
市町村・都市職員共済組合(47組合+3組合) 991千人

2.地方公務員共済年金の運用

 地方公務員共済年金の資産運用に関しては、地方公務員等共済組合法第38条の8、施行令第21条の3および4ならびに同施行規則第11条の5等に依って策定した「長期給付積立金に関する基本運用方針」に基づいて、義務運用および自主運用(自家運用ならびに信託、投資顧問および生命保険会社による委託運用)を行っている。

 PALの長期給付積立金は、地方公務員共済制度全体の長期給付の円滑な実施を図るために設けられているもので、長期給付積立金に充てるため、各組合は毎事業年度の当該組合の長期給付積立金の増加見込み額の30%に相当する額(組合払込金)をPALに払い込むこととされている。PALは、長期給付に要する資金に不足していると認められる組合が生じた場合は、長期積立金から当該組合に対して必要な資金を交付することになっている。このような財政調整制度は、他の公的年金制度には見られない独自のものである。

・義務運用:PALは国の職員である組合員に係る積立金について財務省財政融資資金への預託が義務付けられ、また、すべての組合の積立金増加額の30%を基準とした金額について地方債、地方公共団体金融機構の発券する債券の取得の努力義務が課されている(施行令第21条の3および同附則第7条)。これを義務運用と呼んでいる。

・自主運用(自家運用と委託運用からなる。それらを総称して自主運用と呼んでいる。)

自家運用:PALが直接取得可能な資産は国債、地方債および社債等の有価証券に限定されており、このような資産による運用を自家運用という。

委託運用:国内債券の運用の一部のほか国内株式、外国債券および外国株式の運用は委託運用機関(信託銀行、投資顧問会社および生命保険会社)に委託している。

3.平成26年度の運用状況

(1)運用実績

  ① 収益率(修正総合利回り):11.35%

  ② 収益額:3兆926億円(内、実現収益7400億円 評価損益の増減 2兆1401億円)

  ③ 平成26年度末の運用資産額(時価)は21兆685億円

  ④ 年金財政上求められる運用利回りとの比較:実質的な運用利回りは、財政上の前提である実質的な利回りを上回っている。

 

(2)資産構成割合(平成26年度末)

資産区分 時価総額 構成比

基本ポートフォリオ

構成比

国内債券 10兆6492億円 50.5% 64%(±13.5%)
国内株式  4兆5441億円 21.6% 14%(±7.6%)
外国債券  2兆3986億円 11.4% 10%(±1.4%)
外国株式  3兆1899億円 15.1% 11%(±4.1%)
短期資産    2867億円 1.4%  1%(0.4%)
合計  21兆685億円 100% 100%

(注1) 右欄の基本ポートフォリオについては、平成26年財政再計算結果を踏まえ、2015年10月1日に施行される被用者年金制度一元化までの暫定的な措置として、2014年11月30日、日付見直しを行った。

(注2)基本ポートフォリオ構成比、( )内の数字は乖離率許容幅を表す。

 

(3)運用形態別資産残高(平成26年度末)

 総資産残高(時価)21兆685億円のうち、義務運用は3兆2525億円(15.4%)、自家運用は4兆1,523億円(19.7%)、委託運用は13兆6,012億円(64.6%)の割合になっている。前年度は、総資産残高18兆9,284億円のうち、義務運用は3兆3,741億円(17.8%)、自家運用は4兆4,093億円(23.3%)、委託運用は11兆1,131億円(58.7%)であった。総資産残高が2兆1,401億円増加した中で、委託運用が2兆4,881億円増加している。

 

(4)PALを組織する64の共済組合の長期経理(年金)資産残高(時価)(平成26年度末)

 

共済組合名 長期経理(年金)資産残高(時価)
地方職員共済組合(1組合) 4560億円
公立学校共済組合(1組合) 5兆4469億円
警察共済組合(1組合) 2兆9392億円
東京都職員共済組合(1組合) 6478億円
指定都市職員共済組合(10組合) 1兆3073億円
市町村・都市職員共済組合(47組合+3組合) 10兆5367億円
合計 21兆3339億円

(ただし、指定都市職員共済組合の資産残高は公表されているものが平成24年度末現在)

出所:各共済組合ホームページより、QUICK ESG研究所作成

 PALの運用資産額約21兆円と各共済組合の運用資産額合計約21兆円を合わせると地方公務員共済年金に係る総資産は約42兆円となり、GPIFの137兆円に次ぐ資産規模である。

 

出所: 地方公務員共済組合連合会「平成26年度の資金運用状況」 よりQUICK ESG研究所にて編集

【関連サイト】 地方公務員共済組合連合会

 

執筆:QUICK ESG研究所 菅原 晴樹

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