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【国際】世界60以上の投資家ら、食品飲料企業15社に対して水リスク管理の強化を要請 2015/09/04 ESG

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 水不足および水質汚染のリスク増加への懸念が高まる中、総計2.6兆米ドル以上の資産を運用する北米および欧州の60以上の主要な機関投資家らは8月19日、水リスクの管理および情報開示の強化を要請する文書を食品飲料企業15社に送付した。

 同文書は、食品飲料企業の水リスク管理について調査し、投資家向けにスコアを公開しているNPOのセリーズがとりまとめたものだ。セリーズが先日公開したレポート、”Feeding Ourselves Thirsty: How the Food Sector is Managing Global Water Risks.“の中で水リスク管理の評価対象となった31社のうち、スコアが低かった15社が送付対象となった。対処企業にはアーチャー・ダニエルズ・ミッドランド、モンスター・ビバレッジ、タイソン・フーズ、クラフト・ハインツなどが含まれる。

 文書の中で投資家らは「世界における水リスク管理は、食品飲料業界で見過ごされてきた財務リスクに関する重大な側面だと考えている。脅威はすでに迫っており、近い将来この業界の事業運営やサプライチェーンに支障を及ぼし、資本支出や事業費を増大させ、収益の増加を阻止するだろう」と記述しており、対象となっている15社に対し、来年のCDPの水に関連する質問に対して追加情報を公開するよう求めている。

 今年の1月にスイスで開催された世界経済フォーラムでは、水に関するリスクが世界最大のリスクに位置づけられた。国連によれば、食品業界は原材料および農産物の生産用として世界の真水供給量の70%を使用しており、水への依存度が極めて高いという。

 一方で、水をめぐる競争や規制の欠如、水インフラの老朽化、水質汚染、そして気候変動などにより、食品業界はますます逆境に追い込まれつつある。実際に今年の8月にはタイソン・フーズが長引く干ばつによるアイオワ州のビーフ製造工場の閉鎖などにより400人のレイオフを発表したほか、カーギルも同様に干ばつによるビーフ製造への影響を受けて減益が報じられている。

 セリーズによると、レポートの調査対象となった米国の上場企業31社のうち9割がアニュアル・レポートにおいて水を重大なリスクに挙げているにも関わらず、水リスクが事業計画策定や投資意思決定の一部となっていると回答した企業はわずか3割に留まったという。水リスクは今や業績に直結する重大なリスク要因となりつつあり、水リスクを適切に対処できていない企業に対する投資家らの目線は日に日に厳しくなっている。

【レポートダウンロード】Feeding Ourselves Thirsty Feeding Ourselves Thirsty
【参照リリース】Leading Global Investors Urge Food and Beverage Companies to Better Manage Water Risks
【団体サイト】Ceres
【参考サイト】World Economic Forum

株式会社QUICK ESG研究所

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