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【国際】新興市場の個人投資家はESG課題に強い関心。PRI調査 2015/09/30 ESG

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 国連責任投資原則(PRI)が9月10日に公表した調査によると、新興国市場の個人投資家は先進国の投資家よりもESG課題により強い関心を持っていることが分かった。

 同調査は英国、米国、フランス、日本、オーストラリア、南アフリカ、ブラジルの7か国の個人投資家を対象に、彼ら自身のESGに対する見方や、彼らの年金を運用している年金ファンドの投資先企業に対する考え、ファンドマネジャーとのコミュニケーション状況などを明らかにしたものだ。

 投資家らが特に関心のある3つのESG課題、気候変動に影響を及ぼす化石燃料、児童労働、CEOの高すぎる報酬と租税回避について尋ねたところ、新興国市場の投資家はそれらの課題を非常に重要視していることが分かった。

 ブラジルの投資家の83%、南アの77%が「化石燃料を使用していないこと」が「非常に/かなり重要」と回答したほか、ブラジルおよびオーストラリアの投資家の76%、南アの78%が「税の抜け道の悪用をしないこと」が「非常に重要」と回答した。また、ブラジルの投資家の73%、南アとオーストラリアの77%が「CEOの収入が高過ぎないこと」が「非常に/かなり重要」と答えている。

 さらに「児童労働」は年金ファンドのポートフォリオに含まれる企業に関係しうる課題として最も高い関心を集めており、ブラジルの投資家の86%、南アとオーストラリアの88%が最重要ESG課題に挙げている。

 また、年金基金の投資先企業に対する投資家の見方は新興国と先進国で大きく異なる結果となった。「企業のESG課題への取り組み方からその会社の経営状況が見てとれると感じるか」という質問に対し、ブラジルの投資家の67%、南アフリカの58%が「強く同意する」と回答したのに対し、英国、米国、フランス、日本ではその割合は25%にも満たなかった。

 ファンドマネジャーとのコミュニケーションについても両者の差は顕著に表れ、「ファンドマネジャーが質問にタイムリーに答えている」と回答したのはブラジルで30%、南アとオーストラリアがそれぞれ28%だったのに対し、英国では7%、日本では3%にとどまった。さらに、「自身のファンドマネジャーは懸念に耳を傾け、行動に移してくれていると感じる」と回答した割合は、ブラジルとオーストラリアの21%、南アの19%痛いし、英国では3%、日本では8%だけだった。

 ESG投資への関心は欧米諸国を中心とした先進国で高いという印象が一般的だが、実際にはその逆に、気候変動の影響を受けやすく、人権問題などのESG課題も身近に存在している新興諸国の投資家のほうが先進国以上にそれらの課題に敏感だということが今回の調査から見て取れる。よりハイリスクでボラティリティも高い新興国市場で年金などを運用している個人投資家にとっては、長期的にリターンを確保する上でESGは必要不可欠な観点となりつつある。

【参考サイト】Executive summary of the survey
【参照リリース】PRI survey shows higher awareness of ESG issues in emerging market
【団体サイト】PRI

株式会社QUICK ESG研究所

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